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2003 年度 実績報告書

精神分裂病モデル動物におけるPrepulse inhibitionと発病の予防

研究課題

研究課題/領域番号 12670931
研究機関富山医科薬科大学

研究代表者

角田 雅彦  富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (30322762)

研究分担者 上原 隆  富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (70303229)
住吉 太幹  富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (80286062)
鈴木 道雄  富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (40236013)
キーワード精神分裂病 / モデル動物 / prepulse inhibition / 嗅内皮質 / ラット
研究概要

Prepulse inhibition(PPI)は人でも動物でも生じるが、精神分裂病(分裂病)患者ではPPIの減弱が起こるとが知られている。われわれは、分裂病モデル動物として嗅内皮質傷害ラットを用いて検討してきた。今回は、上記ラットの分裂病モデル動物としての妥当性を検討するためにPPIの減弱が起こるかどうかを検討し、さらに、隔離飼育という環境ストレスがPPIにどのような影響を与えるかについて調べた。方法は、7週齢時のWistar系雄性ラットで、Ope前日に驚愕反応測定装置によりPPIを測定し、左側または右側の嗅内皮質にキノリン酸を注入し傷害した。同様にリン酸緩衝液のみを注入したラットを作成し対照群とした。傷害群と対照群ともにさらに2群に分け、1群は1匹だけ隔離飼育し、もう1群は2匹をペアにして飼育した。傷害4週間後、PPI値を再測定した。その結果、左側障害のOpe前のPPI値は、隔離傷害群(n=14)82.3±1.1%、ペア傷害群(n=14)81.6±1.4%だったが、Ope4週間後では、隔離傷害群57.7±45%、ペア傷害群71.4±3.6%と有意に減少していた(ANOVA、p<0.01)。右側傷害でも、Ope前のPPI値は、隔離傷害群(n=14)81.1±2.5%、ペア傷害群(n=14)82.5±1.7%だったのが、Ope4週間後では、隔離傷害群686±3.6%、ペア傷害群71.4±3.2%と有意に減少していた(ANOVA、p<0.01)。さらに、Ope4週間後において、左側では、隔離傷害群はペア傷害群と比較して有意にPPIが減少していたが(ANOVA、p<0.01)、右側では、隔離傷害群とペア傷害群のPPI値に有意差は認められなかった(ANOVA、ns)。
精神分裂病の発症には脆弱性素因と環境要因の両方が関与していると考えられているが、これらの結果は、嗅内皮質傷害ラットが分裂病脆弱性モデル動物として妥当であることと、左側傷害の方が右側傷害よりも環境ストレスの影響を受けやすいことを示していると考えられた.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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