研究課題/領域番号 |
12670936
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
篠崎 和弘 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40215984)
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研究分担者 |
鵜飼 聡 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80324763)
山下 仰 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50294054)
西川 隆 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (60273629)
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
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キーワード | 精神分裂病 / 前頭前野 / 脳磁図 / NIRS / DLPFC / 神経回路 / 精神科リハビリテーション / Stroop課題 |
研究概要 |
精神分裂病患者の脳内情報処理機構の障害と長期予後の関連を非侵襲脳機能計測法で検討する。初年度は、頭頂・側頭・後頭葉などの認知系、前頭葉内側・前部帯状回などの抑制・注意系、運動出力系の3つの系とこれらを統括する前頭前野の実行機能の神経回路ダイナミクスを健常者でMEG、NIRSで検討した。 上記の3つの系が関与するStroop課題中の活動領域をMEGの空間フィルタ解析で50msの時間分解能で検討した。左後頭部(100-550ms)、左右のDLPFC(150-600ms)、右前頭前野吻側(200-550ms)の順で活動がみられ、視覚認知系、注意系および実行(統括)系としての前頭前野が時間差を持ち、並列に活動する様子を視覚化した。 リハビリテーションによる神経回路ダイナミクスの変化を検討するために、運動学習(コンピュータゲーム)課題を熟練者、初心者に施行し、NIRSとEEGで前頭葉の血流・脳波変化を検討した。初心者では左半球のBroca野で血流が増加し、熟練者では右半球のDLPFC、Broca相同野の血流増加とFmθ波(前部帯状回ACCに発生源)がみられた。両群で運動出力系としての運動前野の血流増加がみられた。初心者では訓練に内言語の果たす役割の重要性を示しており、熟練者ではDLPFCとACCの抑制機能、選択的注意機能によって半自動的に実行されることを示している。 次年度は、これらを基に精神分裂病患者の神経回路ダイナミクスの障害の変化を、疾病亜型、状態像、経過・転帰、認知障害評価データとの関連で検討する。
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