研究課題/領域番号 |
12670937
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
橋本 健志 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (60294229)
|
研究分担者 |
白川 治 神戸大学, 医学部, 助教授 (40243307)
前田 潔 神戸大学, 医学部, 教授 (80116251)
|
キーワード | 精神分裂病 / 死後剖検脳 / 逆耐性 / 前頭前野 / グルタミン酸 / NMDA受容体 / 候補遺伝子 |
研究概要 |
神戸大学医学部解剖学教室から提供された精神分裂病患者および正常対照者の死後剖検脳から前頭前野を分割し、その脳組織からmRNAを抽出した。逆転写酵素により、32P-dATPでラベルしたcDNAプローブをそれぞれ作製し、cDNAがダブルブロット済みのメンブレンとhybridizationを行ない分裂病前頭前野で量的変化のある遺伝子を現在探索している。同時に、分裂病の動物モデルの一つである逆耐性形成ラットの線条体および海馬で特異的に発現する遺伝子をアレイ法を用いて検索中である。 グルタミン酸受容体の拮抗薬であるPCPおよびケタミンが分裂病類似の症状を惹起させ、分裂病患者においては症状を再燃させるという報告などから分裂病の病因や病態にグルタミン酸神経系が関与することが推察されている。そこで、その分裂病のグルタミン酸仮説を検証する目的で、分裂病患者のNMDA受容体の2Bサブユニット遺伝子の変異について検討した。分裂病患者のNMDA受容体2BサブユニットのC末端の細胞内領域の遺伝子変異の有無をスクリーニングし、新規の2664C/Tの変異を同定した。その変異と分裂病との関連を知るため相関研究を行ったが、分裂病群と正常対照群との間で優位な相関を認めなかった。この結果はThe American Journal of Psychiatry誌に報告した。
|