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2002 年度 実績報告書

死後剖検脳を用いた分裂病候補遺伝子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 12670937
研究機関神戸大学

研究代表者

橋本 健志  神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (60294229)

研究分担者 白川 治  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40243307)
前田 潔  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80116251)
キーワード統合失調症 / 前頭前野 / 遺伝子 / SAPAP / mRNA / 死後脳
研究概要

当該研究者らは、死後剖検脳を用いて、統合失調症における神経伝達物質受容体の変化、細胞内情報伝達の異常などを見出し報告してきた。統合失調症の前頭前野におけるセロトニン2受容体の低下、GABAA受容体の増加、セロトニン1A受容体の増加などは国外の他の研究グループでも追認されている。今回の研究では、統合失調症の陰性症状に関連するとされる前頭前野に注目し、統合失調症の候補遺伝子を探索した。
1)統合失調症患者死後脳の前頭前野を用いた候補遺伝子同定
統合失調症脳前頭前野において2倍以上発現が増加している33のmRNAと1/2以下に発現が減少している22のmRNAを同定した。現在、欧文雑誌への投稿準備をしている。
2)候補遺伝子の蛋白の生化学的、免疫組織学的検討
上記候補遺伝子がコードする蛋白に量的変化があるかどうかについて特異抗体を用いて確認している。また、NMDA受容体の下流域にあるスカッフォールド蛋白のSynapse-associated protein 90/postsynaptic density-95-associated protein (SAPAP)が統合失調症患者の前頭前野、上側頭回において変化することを見出し、欧文雑誌へ投稿中である。
3)メタンフェタミン投与ラットの脳において、NMDA受容体の下流域にある主要酵素カルシニューリンとその基質のリン酸化DARPP-32に変化があることを見出した。その結果は欧文雑誌SYNAPSE誌上にて報告した。
4)Differential display法を用い、統合失調症の動物モデルであるフェンシクリジン投与ラット脳において特異的に変化するmRNAの同定に成功し、その遺伝子の翻訳産物である蛋白が統合失調症脳においても同様の変化を示していることを明らかにした。その知見はNeuropsycopharmacologyに投稿中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ono H, Shirakawa O, Kitamura N, Hashimoto T, Nishiguchi N, Nishimura A, Nushida H, Ueno Y, Maeda K: "Tryptophan hydroxylase immunoreactivity is altered by the genetic variation in postmortem brain samples of both suicide victims and controls"Mol Psychiatry. 7(10). 1127-1132 (2002)

  • [文献書誌] Lin XH, Hashimoto T, Kitamura N, Murakami N, Shirakawa O, Maeda K: "Decreased calcineurin and increased phosphothreonine-DARPP-32 in the striatum of rats behaviorally sensitized to methamphetamine"Synapse. 44(3). 181-187 (2002)

  • [文献書誌] Aoyama S., Shirakawa O., Ono H,.Hashimoto T., Kajimoto Y., Maeda K.: "Mutation and association analysis of the DAP-1 gene with schizophrenia"Psychiatry and Clinical Neurosciences. 57(5)(In press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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