研究課題/領域番号 |
12670942
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
渡辺 義文 山口大学, 医学部, 教授 (90182964)
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研究分担者 |
土屋 健 山口大学, 医学部・附属病院, 医員(臨床)
大楽 良和 山口大学, 医学部・附属病院, 医員(臨床)
橋本 学 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (80314805)
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キーワード | うつ病モデル / Fischer344ラット / ストレス脆弱性 / 慢性ストレス / c-fos / 抗うつ薬 / 視床下部室傍核 |
研究概要 |
本研究の目的は、これまでの我々の研究において慢性ストレスに対して脆弱性を有することが確認された純系ラットFischer344ラットについて、うつ病の動物モデルとしての妥当性を検討することである。用いた検討方法は、慢性ストレスと平行して投与される抗うつ薬によって、ストレスに対する適応不全が回避されるかを検討するものである。平成13年度はストレス適応の指標のうち、c-fos mRNAのストレスによる発現増大反応性を検討した。 慢性拘束ストレス負荷によるc-fos mRNA発現増大反応の変化を、視床下部室傍核、中隔外側核、梨状葉皮質の3部位で検討した。ストレス反応性のc-fos mRNA発現増大はストレス第7日以降有意に減弱したが、ストレス第3日には発現増大反応に変化はみられなかった。抗うつ薬、イミプラミン(10mg/Kg)を拘束ストレスと平行して毎日腹腔内投与しても、c-fos mRNA発現反応性に変化はみられなかった。雑種Sprague-Dawleyラットで確認された、ストレス第3日から著明なc-fos mRNA発現増大反応の減弱というストレス適応反応は、抗うつ薬投与によっても得らず、この結果は平成12年度のHPA系のストレス反応性における抗うつ薬のストレス適応不全回避効果とは解離したものであった。この結果の解離については、ストレスに先行した2週間の抗うつ薬投与の有無が関与しているかもしれず、今後の検討が必要と思われる。
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