研究課題/領域番号 |
12670945
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
辻田 高宏 長崎大学, 医学部, 講師 (40304919)
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研究分担者 |
中根 允文 長崎大学, 医学部, 教授 (80039833)
吉浦 孝一郎 長崎大学, 医学部, 助手 (00304931)
新川 詔夫 長崎大学, 医学部, 教授 (00111170)
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キーワード | 自閉症 / 一卵性双生児 / RLGS法 / DNAメチル化 |
研究概要 |
本研究の目的は、Restriction Landmark Genome Scanning(RLGS)法を用いて、自閉症の発症について不一致な一卵性双生児間のゲノムDNAの差異を検出し、そのDNA断片をクローニングすることである。この方法の特色(利点)としては、自閉症の分子遺伝学的研究で常に問題とされてきた疾患の遺伝学的異種性や浸透率などの未知なバックグラウンドを無視できることや、DNA一時構造の変化による差異のみならず、ゲノム上のメチル化状態の違いをも検出できることなどがある。 今年度、我々は、片方のみが自閉症を発症した非常に稀有な一卵性双生児を発見し、2人の末梢血リンパ球からゲノムDNAを抽出し、NotI、PvuII、PstIの3種類の制限酵素を用いたRLGS法を施行したが、現在までのところ2人のRLGSパターンに明らかな差異は見つかっていない。ところで、この制限酵素の組み合わせには、スポットを形成するDNA断片の末端部位が5'突出と3'突出の組み合わせになりクローニングが難しいという欠点があった。そこで平成13年度はランドマーク酵素としてEagIを用い完全に消化後切断部位特異的アダプターを連結しPCR増幅後、HinfIで消化しRLGS展開するという工夫を用いて2人の間の差異を検出したいと考えている。もしこの方法で双生児間の差異が発見されクローニングできれば、クローニングされたDNAフラグメントの末端にあるNotI認識部位はゲノム上のCpG島近くを認識するので、得られたDNAフラグメントは遺伝子近傍にあるかまたは遺伝子自体である可能性が極めて高い。同定された遺伝子は、一卵性双生児の片方が疾患に罹患したあるいはもう片方が罹患を免れたメカニズムに直接関与している可能性があり、極めて貴重なあデータになりうると考えている。
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