研究概要 |
精神分裂病者における手指巧緻運動の習熟過程の障害に関する研究においては,分裂病者の達成運動課題は一週間の練習前、後ともに健常者に比べて低いが、達成運動課題の改善率は両者で差がないことがわかった。また、健常者では習熟過程によって運動前野の賦活の程度が有意に減少するが,精神分裂病者では反対に上昇することを報告した(Psychological Medicine,in press)。この結果に基づき,SPM96を用いて同様の研究を健常者において行ったところ、運動野、運動前野、補足運動野、基底核、小脳など、すべての領域で賦活の程度が低下することがわかった。特に、補足運動野、対側運動野、対側小脳においてはほとんど賦活がみられなくなった。 また、神経心理検査(Conceptual Reasoning Task)による賦活パターンの違いに関する研究では、functional MRIを施行した被験者は現在健常者40名以上,患者8名である。健常者28名における中間統計処理の結果では女性は男性に比べて少ない賦活領域で課題を処理できること(正答率には差がない)が判明した(3rd International Congress in Neuropsychiatryにおいて発表)。
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