研究課題/領域番号 |
12670951
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
林 和秀 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40315510)
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研究分担者 |
齋藤 利和 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50128518)
齋藤 諭 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30295357)
中野 倫仁 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20284995)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | acetaldehyde-amadori product / advanced glycation end-products / acetaldehyde / ethanol / AGE inhibitor / French paradox / Alzheimer's disease |
研究概要 |
生体に悪影響を及ぼすAGEの形成を、その前駆物質であるアマドリ化合物の段階でアセトアルデヒドが阻害する可能性が近年示唆されている。適度な飲酒が健康によいとする報告も踏まえて、今回アセトアルデヒドとアマドリ化合物により生成されるアセトアルデヒド-アマドリ化合物(AAP)に着目してその作用について検討した。 様々な条件設定を行った上で作成したウサギアルブミン(RA)-AAPをニホンシロウサギに免疫し、抗体の作成を計った。6羽に対し2週毎に免疫し8週目に採取した血清をELISA法にて検討したが、特異性のある抗体価の上昇はいずれも認めなかった。この理由として、元来アマドリ化合物と同様に生体に存在する構造体でありエピトープとして認識されない、もしくは反応によって構造の変化する部位があまりに微細なため認識されづらい、といった可能性が考えられた。 ラット胎児大脳皮質神経細胞の初代培養系においてAAPとAGEの細胞障害性の検討を行った。培養神経ディッシュ内にそれぞれを添加し、24〜72時間後にMTT法により吸光度の減少を細胞障害の指標として測定した。その結果AGEで明らかに細胞障害性が認められる濃度においてもAAPは細胞障害性を認めなかった。 抗体の作成は達成されなかったが、今回の検討を通してAAPの神経毒性はAGEに比して低く、アセトアルデヒドが生体内にて細胞保護的に作用しているという仮説を支持する結果が得られた。今後生体内でのアセトアルデヒドの代謝、反応経路に関して更なる検討が行われることが期待される。
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