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2002 年度 実績報告書

非アルツハイマー型変性痴呆の病態機序に関する研究-細胞骨格蛋白異常の観点から-

研究課題

研究課題/領域番号 12670952
研究機関横浜市立大学

研究代表者

井関 栄三  横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30203061)

研究分担者 小田原 俊成  横浜市立大学, 医学部, 講師 (00244426)
キーワードレビー小体型痴呆 / レビー小体 / α-シヌクレイン / シンフィリン-1 / 前頭側頭型痴呆 / ピック病 / タウ / ユビキチン
研究概要

「非アルツハイマー型変性痴呆の病態機序に関する研究-細胞骨格蛋白異常の観点から」のうち、本年度はレビー小体型痴呆(DLB)と前頭側頭型痴呆(FTD)の細胞病理学的研究を行った。まず、DLB脳におけるレビー小体の形成機序について、α-シヌクレインによる免疫組織化学的研究により、α-シヌクレインは神経末端・細胞体・樹状突起の順に蓄積し、レビー小体とレビー小体関連神経突起を形成すること、レビー病理変化は扁桃核・辺縁系皮質・新皮質の順に進展することを示し、レビー病理変化を大脳内の進展様式からstage I〜IVに段階分けした^<1)>。また、海馬では、レビー小体と神経原線維変化は各々独自の進展様式を示すばかりでなく、α-シヌクレインとタウとが神経細胞体と神経末端で共存することにより、レビー小体と神経原線維変化の形成に影響を与えていることを示した^<2)>。さらに、α-シヌクレインとともにレビー小体の形成に関与すると考えられていたシンフィリン-1は、レビー小体のみならず神経原線維変化の形成にも関与することを免疫組織化学的に示した^<3)>。FTD脳に関しては、タウによる免疫組織化学とメセナミン銀法による研究で、FTDのピック型にみられるピック小体が細胞死とともに細胞外で処理される機序を示し、神経細胞変性への細胞骨格異常の関与を明らかにした^<5)>。また、FTDのピック型には、タウの蓄積するピック小体をもつタイプとユビキチンとのみ反応する封入体をもつタイプとがあり、両者は臨床病理学的に異なる病態機序を有していることを示した^<6)>。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Marui W, Iseki E, Nakai T, et al.: "Progression and staging of Lewy pathology in brains from patients with dementia with Lewy bodies"J Neurol Sci. 195. 153-159 (2002)

  • [文献書誌] Iseki E, Takayama N, Marui W, et al.: "Relationship in the formation process between neurofibrillary tangles and Lewy bodies in the hippocampus of dementia with Lewy bodies"J Neurol Sci. 195. 85-91 (2002)

  • [文献書誌] Iseki E, Takayama N, Furukawa Y, et al.: "Immunohistochemical study of synphilin-1 in brains of patients with dementia with Lewy bodies"Neurosci Lett. 326. 211-215 (2002)

  • [文献書誌] Iseki E, Tsunoda S, Suzuki K, et al.: "Regional quantitative analysis of NFT in brains of non-demented elderly persons : Comparisons with findings in brains of late-onset Alzheimer's disease and limbic NFT dementia"Neuropathology. 22. 34-39 (2002)

  • [文献書誌] Odawara T, Iseki E, Furukawa Y, et al.: "Degeneration of Pick bodies visualized by methenamine-silver staining and immunohistochemistry"Neuropathology. 22. 180-185 (2002)

  • [文献書誌] Odawara T, Iseki E, Kanai A, et al.: "Clinicopathological Study of Two subtypes of Pick's disease in Japan"Dement Geriatr Cogn Disord. 15. 19-25 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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