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2001 年度 研究成果報告書概要

有機溶剤依存の病態および治療に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12670953
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 精神神経科学
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

福居 顕二  京都府立医科大学, 医学部, 教授 (50165263)

研究期間 (年度) 2000 – 2001
キーワード有機溶剤 / 神経依存 / 中脳辺縁ドパミン系 / CREB / リン酸化CREB / 分子生物学
研究概要

有機溶剤乱用により生じる精神依存が、ドパミンニューロンの神経伝達変化と深く関わっていることから、そのメカニズムのなかのcAMP response element(CRE)に結合する転写因子であるCRE-binding protein(CREB)のリン酸化に着目し、免疫組織学的手法を用いて中枢神経系における有機溶剤依存のメカニズムを検索した。実験は、ラットに3時間トルエンを吸入曝露させた急性曝露群と2週間連続の慢性曝露群を作製し、抗CREB抗体と抗リン酸化CREB抗体を用いた免疫組織化学法(ABC法)を行い、光学顕微鏡を用いて観察し対照群と比較した。トルエン曝露群においては、対照群に比してリン酸化CREB免疫反応が、主に神経細胞核に限局して増強する傾向を認めた。リン酸化CREB免疫陽性細胞は、嗅皮質、前頭皮質、帯状回皮質、側頭葉皮質、海馬の一部などに有意に分布していた。さらに、慢性曝露群においても、嗅皮質、帯状回皮質、海馬の一部で同様の傾向が認められた。また、慢性曝露群においてリン酸化CREBは有機溶剤吸引群でその免疫陽性細胞の数が増加していたが統計学的な有意差を認めるには至っていない。しかしながら、これらの発現部位が中脳辺縁系に投射し精神依存に関与しているとされるドーパミンA10ニューロンの分布に合致することから、有機溶剤による依存の形成にCREBのリン酸化というステップが大きく関与していることが明らかになった。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 土田 英人 他: "薬物依存症"総合臨床. 49. 681-683(1673-1675) (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 土田 英人 他: "有機溶剤乱用の臨床"保険の科学. 43. 121-125 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 福居 顯二: "有機溶剤依存の臨床と基礎"精神神経学雑誌. 104. 66-70 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 飯住 英幸 他: "薬物依存の形成とその背景"日本医事新報. 4078. 37-47 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Tsuchida, H. et al.: "Drug Dependence."Sogo Rinsyo. 49. 681-683,1673-1675 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Tsuchida, H. et al.: "Clinic in organic solvent abuse"Hoken no Kagaku. 43. 121-125 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Fukui K.: "Clinic and basic medicine in organic solvent abuse"PSYCHIATRIA ET NEUROLOGIA JAPONICA. 104. 66-70 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Iizumi, H., et al.: "Formation and mechanism of drug dependence"Japan Medical Journal. 4078. 37-47 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2005-04-19  

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