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2003 年度 実績報告書

摂食障害患者のパーソナリティーの特徴:遺伝と環境の相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 12670956
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

大野 裕  慶應義塾大学, 保健管理センター, 教授 (70138098)

研究分担者 安藤 寿康  慶應義塾大学, 文学部, 教授 (30193105)
平野 雅己  山梨大学, 医学部・精神神経医学教室, 講師 (80228808)
神庭 重信  山梨大学, 医学部・精神神経医学教室, 教授 (50195187)
キーワード摂食障害 / パーソナリティー / 遺伝 / 環境 / 過食 / 拒食 / 体型不満 / やせ
研究概要

本研究は、摂食障害の発症および維持において主要な役割を果たすと考えられるパーソナリティーの特徴を、生物・心理・社会の各側面から統合的な視点をもって解明し、効果的な治療法の考案に発展させることを目的としたものである。まず双生児の協力を得て、パーソナリティーに関する質問紙Temperament and Character Inventory (TCI)とNEO Personality Inventory、Parental Bonding Instrument (PBI)および性的役割分担意識を調べる質問紙を用いて食行動に影響する遺伝要因と環境要因の関連について研究を行った。また、摂食障害発症に関連した環境要因を具体的に同定することを目的として、米国コロンビア大学精神科の摂食障害研究チームと摂食障害発症の危険因子に関する国際共同研究を行った。(結果と考察)慶應義塾双生児研究プロジェクトに参加した15歳から31歳までの女性の双生児224組(一卵性双生児170組、二卵性双生児54組;平均年齢は20.28±4.30歳)、および摂食障害で治療を受けている70人の協力を得て研究を行った。その結果、やせ願望には共有環境が、過食、体型不満は相加的遺伝が影響を及ぼしていた。食行動・態度とパーソナリティーとの関係を見ると、やせ願望、過食については、パーソナリティーとの関連が全て非共有環境によって媒介されていたのに対し、体型不満とパーソナリティーとの関連は相加的遺伝要因によって媒介されていた。さらに年齢による違いを検討したところ、年齢が高くなるにつれて遺伝の寄与が大きくなっていた。こうしたことから、「やせ願望」と「過食」、「体型不満」との関連は遺伝的な結びつきによるものが大きいことが示唆されるが、「過食」と「体型不満」を結び付けているのは非共有環境によるものであると考えられた。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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