研究課題/領域番号 |
12670958
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
池淵 恵美 帝京大学, 医学部, 助教授 (20246044)
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研究分担者 |
成田 薫 帝京大学, 医学部, 助手 (40338687)
沼口 亮一 帝京大学, 医学部, 助手 (10307192)
佐々木 隆 帝京大学, 医学部, 助手
伊藤 あき子 帝京大学, 医学部, 助手 (20338685)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 精神分裂病 / 社会生活技能 / 社会生活技能訓練(SST) / 問題解決技能 / 認知機能 / 精神症状 / 病識 |
研究概要 |
本研究の目的は、精神分裂病の患者が社会生活を送る上で障壁となる社会生活技能(Social Skills)の障害について、客観的な評価方法を確立し、障害の原因について解析し、治療方法開発の手がかりを得ることである。具体的には、精神分裂病の受信・処理・送信技能を客観的に評価するロールプレイテスト改訂版の作成と、尺度としての信頼性、妥当性の検討を行い、さらに杜会生活技能を規定する要因について検討した。 ロールプレイテスト改訂版では、対象者が日常的に遭遇し臨床上も重要性の高い6場面を新たに選定し、実施方法や評価項目についても改訂を行った。評価基準を作成するために、専門家55名、精神分裂病外来通院患者32名へのアンケート調査を実施した。 ・改訂版ロールプレイテストは、臨床試験により実用性を備えていると考えられた。 ・被験者10名、評価者4名で、改訂版ロールプレイテスト13項目の評価者間一致度(ANOVA-ICC)を測定し、実用上問題のない値であった。 ・被験者36名にロールプレイテストおよびそのほかの臨床評価を行った。ロールプレイテストの因子分析の結果では、総合的スキル(対処能力)因子、スキルの主観的評価因子、場所・相手の認知因子、対処法修正の因子が抽出され、構成概念妥当性が裏付けられた。外的基準として用いた精神障害者杜会生活評価尺度のうちの対人関係尺度(LASMI-I)と、総合的スキルとは有意な相関を認め、基準関連妥当性が裏づけられた。GASとの有意な相関は認めず、今後の検討課題として残された。 ・総合的スキルと、陰性症状、解体症状、数字の逆唱、トレイルメーキングテストAおよびB、言語流暢性テスト(動物)、創造性思考検査(部分再生に属する回答数)が有意な相関を示し、重回帰分析では解体症状が有意な寄与をしめした。これは認知機能障害の寄与が大きいことを示していると考えられる。 以上のように、改訂版ロールプレイテストの実用性・信頼性・妥当性が検証された。残された課題の一つは社会的妥当性ないしはスキルの有効性の評価であろう。
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