研究課題/領域番号 |
12670961
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
松井 宏晃 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90181685)
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研究分担者 |
朝倉 幹雄 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (70103504)
廣井 朋子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (20238398)
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キーワード | β_1アドレナリン受容体遺伝子 / グルココルチコイド受容体 / 転写抑制 / CREB |
研究概要 |
ヒト神経芽細胞腫SY5Y細胞におけるヒトβ_1アドレナリン受容体(AR)遺伝子基本転写活性には、翻訳開始点から5'上流-403/-340が関与した。-403/-340からPst I(-364)/Sma I(-342)を除去すると基本転写活性は-403/-340に比して低下した。一方、-403/-364および-364/-1には転写活性を認めなかった。興味あることに、-444/-364の5'→3'方向性を3'→5'に変えると、転写活性は著しく低下した。このとは、-403/-364領域中、-364近傍の配列が、-364/-342の配列と協調的に作用し転写活性を示すものと考えられた。転写因子結合配列を検索すると、-369/-366にCATT boxの逆配列および-352/-345にCRE類似配列(TGACGCGA)を見出した。CATT boxの逆配列は変異させても転写活性には影響しなかったが、CRE類似配列を変異させると、転写活性は低下した。CRE類似配列を含む領域(-364/-337)をプローブに用いたゲルシフトアッセイおよび-452/-251をプローブに用いたDNase Iフットプリンティングアッセイの結果、CRE類似配列に結合する転写因子はCREBである可能性が示唆された。この条件下で、CREBと協調的に作用しCRE類似配列近傍に結合すると考えられる転写因子は検出できなかった。今回の実験条件では検出できなかったが、グルココルチコイド受容体(GR)がCREBとヘテロダイマーを形成し、CREBのCRE類似配列への結合を抑制し、結果的にβ_1AR遺伝子転写活性が減少した可能性、あるいは、CREBと協調的に作用する未同定の転写因子の作用をGRが抑制し、結果的にβ_1AR遺伝子転写活性が減少した可能性などが考えられた。
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