研究課題/領域番号 |
12670962
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
内藤 宏 藤田保健衛生大学, 医学部・精神医学教室, 講師 (00247644)
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研究分担者 |
澤田 誠 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (10187297)
岩田 仲生 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (60312112)
尾崎 紀夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40281480)
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キーワード | DNTC / presenile dementia / neurofibrillary tangle / microglia / inflammation |
研究概要 |
石灰沈着を伴うびまん性神経原繊維変化痴呆(DNTC)は、初発症状は記名力障害、見当識障害等アルツハイマー病(AD)と類似しているが、進行が緩徐で比較的人格が保たれていること、その主症状は精神病症状であること、病理学的に老人斑を欠くことなど、アルツハイマー病との鑑別点も明らかにされてきている。本年度の研究では、本疾患の病態発症の機序を解明するため、DNTCとADとの差異を細胞生物学的見地から検討した。 DNTC患者、AD患者、対照の健常者の頭頂葉、側頭葉の死後脳におけるミクログリアの分布を、抗βアミロイド、抗アミロイドP、抗C3d,抗HLA-DR等の各抗体を用いてABC法で免疫組織学的に検討した。 HLA-DR陽性ミクログリアはDNTC患者とAD患者の側頭葉で増大していた。AD患者ではHLA-DR陽性ミクログリアは老人斑において観察されたが、DNTCではこの老人斑は認めず、HLA-DR陽性ミクログリアは細胞外の神経原繊維変化の周囲に集積していた。また、細胞外の神経原繊維変化は抗アミロイドPと抗C3d抗体に陽性であった。 以上よりDNTC患者の脳では補足的な経路が活性化され、ミクログリアの活性化を含む免疫反応や炎症反応が細胞外の神経原繊維変化の周囲で起きていることが示唆された。ミクログリアは老人斑に集積しアポリポタンパクEと結合したり、アミロイドタンパクによって活性化されたりすることが報告されている。ADと異なり老人斑が見られないDNTCでのこの所見は、本疾患においても免疫・炎症反応という病態を反映していると推察され、今後も例数を増やし検討を続けたい。
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