研究課題/領域番号 |
12670966
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
内村 直尚 久留米大学, 医学部, 助教授 (10248411)
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研究分担者 |
原野 睦生 久留米大学, 医学部, 助手 (20289490)
橋爪 祐二 久留米大学, 医学部, 助手 (30333230)
野瀬 巌 久留米大学, 医学部, 講師 (20248404)
竹内 暢 久留米大学, 医学部, 助手
白川 伸一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (80299453)
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キーワード | レム睡眠行動障害 / 終夜睡眠ポリグラフ / 頭部MRI検査 / SPEC検査 / 脳血流低下 / 橋 / 前頭葉上部 |
研究概要 |
レム睡眠行動障害(RBD)には症候性RBDと特発性RBDが存在し、前者は神経疾患や薬物により引き起こされるもので、パーキンソン病やオリーブ・橋・小脳変性症などの中枢神経変性疾患が原因となる。一方、特発性RBDは高齢での発症が多いが原因については未だ解明されていない。そこで今回特発性RBDの病因を解明する目的で頭部MRIおよび脳SPECTを施行した。 対象は終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査にてRBDと診断され同意が得られた男性20名(平均年齢63.4歳、RBD群)および健康高齢者7名(平均77.4歳、対照群)であった。頭部MRIの視察による読影は放経放射線専門医2名がブラインドにて行った。一方、SPECTは関心領域(ROI)を設定し1-^<123>IMPの集績をカウントした。各部位の集積カウントは同側半球の小脳を基準としてカウント比の算出をおこなった。 頭部MRI検査にてRBD群では20名中9名で、対照群では7名中5名で前頭葉の萎縮が認められた。 また、両群ともに2名でラクナ梗塞を認めたが、いずれも無症候性であった。RBD群においては、全例共に責任病巣と考えられている橋被蓋部には病変は認めなかった。SPECT検査では対象群に比較しRBD群において橋および前頭葉上部での有意な脳血流低下がみられた。また、RBD群における前頭葉上部の血流量低下は前頭葉萎縮の有無にかかわらず認められた。 以上のように両群間で脳萎縮やラクナ梗塞などの器質的な病変に関しては相違はみられなかったが、一方、脳血流量に関してはRBDの責任病巣といわれている橋および前頭葉上部での低下がみられた。これらの結果よりRBDでは橋および前頭葉上部の血流量低下という機能障害がおこり、その結果、骨格筋への抑制機構抑制している可能性が示唆された。
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