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2002 年度 実績報告書

レム睡眠行動障害の病態の解明とメラトニン療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 12670966
研究機関久留米大学

研究代表者

内村 直尚  久留米大学, 医学部, 助教授 (10248411)

研究分担者 土生川 光成  久留米大学, 医学部, 助手 (40343701)
橋爪 祐二  久留米大学, 医学部, 講師 (30333230)
野瀬 巌  久留米大学, 医学部, 講師 (20248404)
山本 克康  久留米大学, 医学部, 助手
竹内 暢  久留米大学, 医学部, 助手
キーワードレム睡眠行動障害 / SSRI / フルボキサミン / パロキセチン / クロナゼパム
研究概要

レム睡眠行動障害(RBD)の薬物療法としてはクロナゼパムが第一選択薬として用いられるが、持ち越し効果や筋弛緩作用などの副作用のため中断する症例も少なくない。また、三環系抗うつ薬も抗コリン作用による副作用のため、増量できずに効果が得られないことが多い。そこで今回三環系抗うつ薬と同様にレム睡眠抑制作用を有するSSRIの有効性を検討した。
対象は睡眠障害国際分類でRBDと診断できた男性6名と女性2名の計8名(平均年齢65.5歳)であった。眠前にパロキセチンあるいはフルボキサミンを単剤投与、あるいはクロナゼパムとの併用投与を行った。症状評価はベッドパートナーによる夜間睡眠中の行動観察によって行ったが、患者本人による夢内容の記載も参考とした。治療前と比較し75%以上の改善を著明改善、50%以上75%未満を中等度改善、25%以上50%未満を軽度改善、25%未満を不変とした。
フルボキサミン単独投与(25〜50mg/日)3名では著明改善1名、中等度改善2名であった。また、フルボキサミン50mgをクロナゼパム2.0mgに併用投与した1名では中等度改善を認めた。以上のようにフルボキサミン投与4名ではすべて中等度改善以上を認め、4名とも副作用はみられなかった。一方、パロキセチン単独投与(10〜20mg/日)4名では3名に中等度改善を認めたが、他の1名でふらつきを著明に認め効果が出現する前に中断した。また、クロナゼパムとの併用例(10〜40mg/日)では著明改善2名、中等度改善2名であり、全例で中等度以上の改善がみられ、いずれにも副作用は認めなかった。
以上のようにフルボキサミンおよびパロキセチンはRBDに対してクロナゼパムや三環系抗うつ薬と同等以上の有効性を認め、一方、副作用が少ないことが明らかになった。また、クロナゼパムで効果が不充分な症例では併用投与により効果が増大することが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takeuchi N et al.: "Melatonin therapy for REM sleep behavior disorder"Psychiatr. Clin. Neurosci.. 55. 267-269 (2001)

  • [文献書誌] Takeuchi N et al.: "Study of image findings in raped eye movement sleep behavior disorder"Psychitr. Clin. Neurosci.. 56. 291-292 (2002)

  • [文献書誌] 竹内 暢 他: "レム睡眠行動障害における患者背景の検討"精神医学. 44. 1241-1245 (2002)

  • [文献書誌] 内村直尚: "睡眠障害の対応と治療ガイドライン"じほう. 267 (2002)

  • [文献書誌] 内村直尚 他: "臨床医のための睡眠・覚醒障害ハンドブック"メディカルレビュー社. 147 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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