研究課題/領域番号 |
12670966
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
内村 直尚 久留米大学, 医学部, 助教授 (10248411)
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研究分担者 |
原野 睦生 久留米大学, 医学部, 助手 (20289490)
橋爪 祐二 久留米大学, 医学部, 講師 (30333230)
野瀬 巌 久留米大学, 医学部, 講師 (20248404)
山本 克康 久留米大学, 医学部, 助手 (60368925)
土生川 光成 久留米大学, 医学部, 助手 (40343701)
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キーワード | レム睡眠行動障害 / メラトニン / メラトニンレセプター遺伝子 / Mel1a / Mel1b / 遺伝子解析 / PCR-RFLP法 / 遺伝子多型 |
研究概要 |
レム睡眠行動障害(RBD)はレム睡眼中に夢の内容に一致した異常行動を呈する睡眠時随伴症のひとつであり、神経変性疾患などに起因する症候性RBDと原因不明で高齢者に発症しやすい特発性RBDに大別される。ところで、我々は、すでに特発性RBDにメラトニンの投与が奏効することを明らかにした。また、RBDの家系内発症も散見するため、RBDの発症にはメラトニンレセプター遺伝子(Mel1a,Mel1b)の多型が関与しているという仮説を立て、それらの多型について罹患者および健常者間での関連解析を行った。 睡眠障害国際分類(ICSD)の診断基準に基づいて特発性RBDと診断された患者27名(男21名、女6名、平均年齢65.3歳)を罹患群、精神疾患・睡眠関連障害の罹患歴および家族歴を持たない健常者72名(男56名、女16名、平均年齢55.1歳)を対照群とした。Mel1a遺伝子のC160T多型とC470T多型、およびMel1b遺伝子のG71A多型とC196T多型についてPCR-RFLP法で遺伝子解析を行った。尚、本研究は、久留米大学医学部倫理委員会の審査・承認を受け、実施にあたって被験者には口頭と文書にて十分なインフォームドコンセントを行い、書面同意を得て行った。 Mel1a遺伝子のC160T多型とC470T多型についてはマイナー・アレルの頻度はいずれの多型も罹患者群で0%、対照群で0〜1.4%で、有意な関連は認められなかった。Mel1b遺伝子のG71A多型とC196T多型に関してもMel1a遺伝子と同様に有意な関連はみられなかった。 対象とした被験者の数は十分ではないものの、罹患群・対照群の両群において該当の変異をもつ者がほとんど認められなかったことより、特発性RBDの発症にはMel1a遺伝子多型(C160T,C470T)およびMel1b遺伝子多型(G71A,C196T)の関与がみられないことが示唆された。
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