研究課題/領域番号 |
12670992
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
長井 一浩 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (30304942)
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研究分担者 |
朝長 万左男 長崎大学, 医学部, 教授 (40100854)
小路 武彦 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30170179)
陣内 逸郎 長崎大学, 医学部, 助教授 (70162823)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | Adult T-cell Leukemia / leukemic progenitor cell / adhesion molecule / signal transduction |
研究概要 |
A.MS-5細胞株との共培養系におけるATL細胞のprimary cultureおよび長期維持培養実験 MS-5骨髄間質細胞との共培養系においてATL細胞がstromal layerへの接着依存性に"敷石状(cobblestone area; CA)"の増殖フォーカスを形成することを確認した。CA数と植え込み細胞数は比例関係を示すことから、CA formig cell(CAFC)は腫瘍性前駆細胞であることが示唆された。本培養系で増殖する細胞が臨床症例のATL細胞と同一クローンの腫瘍細胞である事は、サザンブロット法によるHTLV-1プロウイルス・ゲノムの組み込みパターン解析によって証明した。本培養系でIL-2非依存性増殖がアッセイできるのは、臨床的にacute typeあるいはlymphoma typeの症例の細胞であった。さらに、免疫細胞化学染色法やRNA in situ hybridization法によって、増殖するATL細胞においてHTLV-1関連蛋白(特にTax)の発現が抑制された状態である事を確認した。また、CAを形成するATL細胞に対するKi-67やPCNA等の免疫染色の結果、これらが増殖期に入っていることを確、認しており、以上の結果については、第42回米国血液学会において報告した。現在ATLの腫瘍性幹細胞leukemic progenitor of ATL(LP-ATL)の同定を目指して、このCAをクローニングの後、同様の共培養系で長期間の継代維持を行っている。今後LP-ATLの増殖動態を更に詳細に解析する予定である。 B.ATL細胞の増殖機構における接着分子の意義 MS-5細胞株との共培養系におけるATL細胞の増殖が接着依存性である事を、セルカルチャー・インサートや、各種サイトカイン受容体に対するモノクローナル抗体等を用いた接着あるいはサイトカイン阻害実験によって明らかにした。現在、この増殖に関与している接着分子を明らかにする目的で、細胞株や臨床検体を対象として、モノクローナル抗体を用いた接着および増殖阻害実験を行っている。現時点では、従来ATL細胞で発現するとされている分子のブロックでは、十分に接着やCA形成を阻害できておらず、新規の接着分子の存在する可能性も示唆される。 C.ATL細胞の増殖機構における接着分子を介したシグナル伝達経路の異常の解析 MAPキナーゼ・シグナル伝達系の活性化状態を、リン酸化部位特異的抗体を用いて蛋白レベルで解析中である。
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