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2001 年度 実績報告書

骨髄異形成症候群の発症と進展に関わる遺伝学的負荷と染色体遺伝子変異

研究課題

研究課題/領域番号 12670999
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

堀池 重夫  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10209273)

キーワード骨髄異形成症候群 / 急性白血病 / 遺伝子変異 / 染色体 / AML1遺伝子 / runtドメイン / MDS / RUNX1遺伝子
研究概要

骨髄異形成症候群(MDS)とその関連疾患の発症と進展に関与する分子遺伝学的変異を同定する目的で、本年度はAML1/RUNX1遺伝子Runtドメイン内の点突然変異を検索し、以下の結果を得た。対象は治療関連性白血病(TRL)16例、de novo MDS85例(うち16例はAML進展例)、de novo AML 69例、CML 6例、総計176例の骨髄性白血病症例である。Runtドメインはexon3,4,5で構成され、これらに近傍のexon6を加えた4つのエクソンをPCR-SSCP法でスクリーニングし、移動度の異なる異常バンドをクローニング後、塩基配列を決定した。
1.AML1遺伝子runtドメイン内の異常を176例中5例(2.9%)で検出した。うち4例はde novo MDS症例で、病型はRA:2例、CMML:1例、RAEB->M2:1例であり、いずれの症例においてもMDS診断時のDNA検体から異常が検出された。
2.コドン122のsilent変異を示したRAの一例を除いて、他の4例ではframeshift変異が検出された。すなわち、1塩基欠失、3塩基挿入、4塩基挿入、19塩基duplicationに伴い、それぞれでV93del、I150ins、I168ins、A120insを形成するものと推測された。
3.AML1変異のみられた5症例においては、全例で染色体異常(12p-、der(14)t(1;14)、+8,del(13)、t(9;22)、7モノソミー;各1例)、1例でTP53コドン205での変異、他の1例でNRASコドン13の変異を示すなど、全ての症例で何らかの他の分子遺伝学的異常を伴っていた。
以上の結果より、AML1遺伝子runtドメインでの変異はMDSの発症・進展に関与する分子機構の一つと考えられ、病勢の進行に伴って蓄積する異常のなかでも比較的早期に位置付けられるものと推測された。また、AMLに比較してframeshift変異が特徴的であり、MDSの特殊性を伺わせた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Nomura K, Sekoguchi S, Ueda K, Horiike S, Nishida K, Nakamura S, Taniwaki M.: "Differntiation of follicular from mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma by detection of t(14;18)on single-cell preparations and paraffinembedded sections"Genes Chromosomes Cancer. 33(2). 213-216 (2002)

  • [文献書誌] Jamal R, Taketani T, Taki T, Bessho F, Hongo T, Hamaguchi H, Horiike S, et al.: "Coduplication of the MLL and FLT3 gene in patients with acute myeloid leukemia"Genes, Chromosomes & Cancer. 31(2). 187-190 (2001)

  • [文献書誌] Kita-Sasai Y, Horiike S, Misawa S, Kaneko H, Kobayashi M, et al.: "International prognostic scoring system and TP53 mutations are independent prognostic indicators for patients with myelodysplastic syndrome"British Journal of Haematology. 115(2). 309-312 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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