研究概要 |
今回、ヒト血小板およびリンパ球におけるミオシンスーパーファミリーの発現についての新しい所見を得ると共に、ミオシン20-kDa軽鎖の3つのアイソフォームを発見した。 1)ヒト血小板に発現するミオシン重鎖のアイソフォームは、MHC-IIAのみであることを転写レベルで証明した。 2)ヒト臍帯血および末梢血のリンパ球にはMHCIIAが他のミオシンスーパーファミリー構成分子に比し優位に発現している。しかも、報告されている7.5kbpに加え、臍帯血リンパ球では6.5kbp、末梢血リンパ球では6.0kbpというサイズの異なるメッセージが同定された。非筋細胞においては、最近非古典的ミオシンが14種報告されている。今回、RT-PCRおよびノザンブロットにより、リンパ球には一部の非古典的ミオシン(I-c、brush border-I、Iーβ、V、VI、VIIA、IXA、IXB、XV)がいずれも低レベルの発現であったが、遺伝子レベルで確認した。 3)ヒト白血病細胞株Meg-01およびU937、ヒト血小板より3つのisoform(MLC-2A,-2B,-2C)をクローニングした。MLC-2A, MLC-2Bは、調べた血液細胞およびcell lineにすべてに構成的に発現していた。ゲノムの解析結果より、MLC-2AおよびMLC-2Bは各々3つのexonからなり、18番目染色体にコードされていることが明かとなった。MLC-2Cは、chicken gizzardのMLC20と全く同一のものであったが、単球系細胞および血小板のみに発現し、またHL60をTPAで単球系に分化させた時に誘導されてくることも判明した。 MLC-2Cは、3つのexonよりなり、20番目染色体にコードされていた。これらの軽鎖の機能解析および転写因子解析が進行中である。
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