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2000 年度 実績報告書

腎炎における細胞増殖、基質増加とTGF-βの細胞内信号伝達因子Smadの発現

研究課題

研究課題/領域番号 12671035
研究機関浜松医科大学

研究代表者

山本 龍夫  浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (30200819)

研究分担者 藤垣 嘉秀  浜松医科大学, 医学部, 助手 (20283351)
米村 克彦  浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40252176)
キーワードTGF-β / TGF-βレセプター / Smad / 腎硬化性病変 / 糸球体腎炎 / 細胞外基質 / 細胞内信号伝達
研究概要

抗胸腺細胞血清(ATS)1回投与により作成した急性ATS腎炎ラットにおけるTGF-β、TGF-βレセプターと各種Smadの発現に関し、以下の結果を得た。
1.蛋白尿はday1をピークとして以後漸減し、腎組織所見ではday7をピークとしたメサンギウムの細胞増殖と基質沈着増加がみられた。
2.単離糸球体培養上清のELISAによるTGF-β1の定量では、TGF-β1はday7をピークとする一過性の上昇がみられた。
3.単離糸球体のTGF-βレセプターの発現は、type Iレセプターはday7で増加し、type IIレセプターはday7で一過性に減少していた。
4.単離糸球体のWestern blotによるSmad蛋白定量では、Smad3、Smad4は腎炎惹起前後で著変なく、Smad2はday7で一過性の減少がみられた。
5.単離糸球体のRT-PCRにて、Smad7mRNAのday7における減少が認められた。
6.以上の結果より、急性ATS腎炎では、day7をピークとするメサンギウムの細胞増殖と基質増加、TGF-βの発現増加が起こるが、この経過において共有型であるSmad4の糸球体内発現に変化はなく、一方、特異型Smadについては、Smad2はday7で減少、Smad3は不変と発現に差がみられ、急性ATS腎炎におけるTGF-βの作用発現において、Smad2/Smad4複合体を介するTGF-βの細胞内信号伝達は、Smad3/Smad4複合体を介するものとは異なっている可能性が示唆された。また、抑制型であるSmad7のday7における発現減少は、急性ATS腎炎極期にみられる細胞外基質の病的沈着といったTGF-βによる基質の過剰発現に関与している可能性が考えられた。
7.今後は各種Smadの免疫組織化学やin situ hybridizationによる発現細胞の同定とともに、ATS2回投与による慢性進行性ATS腎炎との相違を調べることで各種Smadの腎炎におけるTGF-βの細胞内信号伝達における役割を検討すると共に、特異型と共有型Smad複合体の構成比の変化の有無を検討する。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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