研究概要 |
計画年度期間中に以下の成果を達成し得た。 本計画中の大きな骨子であったヒトの遺伝子決定については、マウス遺伝子のクローニングと同時に進行したヒトでの遺伝子クローニングに成功し、遺伝子全長の決定を終了、mutation症例の事例をあわせて、平成14年度に報告した(Hum Genet 110,157,2002)。臨床的には内臓逆位の症例に嚢胞を合併することはまれであり、ヒトではマウスと異なる遺伝子レベルのメカニズムが存在することが推定された。 機能解析、発現については、基本的にinvのmRNA発現は腎尿細管の細胞質に認められ、胎生15日頃より発現がみられ、生後も発現が継続した。骨格蛋白して、上皮細胞の機能に関わる可能性が示唆された。また、この間に、取得した遺伝子クローンのさまざまな修飾を行い、まず方法で提示したノックアウトマウス作製のためのターゲッティングベクターを構築した。さらに、発現の検討のため、GFP蛋白やlacZなどの標識蛋白を発現する遺伝子プログラミングをおこなった。蛋白発現の検討のため、作製したモノクローナル抗体のcharacterizationを行い、ノックアウトマウスでの発現消失の確認や、他の相互作用のある蛋白群の検索に用いる予定である。また、正常全長クローンをそのまま、発現ベクターに挿入し、尿細管細胞内へ導入をした。この細胞を用いてcDNA arrayにより発現遺伝子群のprofileの変化を観察する予定である。
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