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2001 年度 実績報告書

甲状腺ホルモンによる甲状腺刺激ホルモン発現抑制機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12671077
研究機関浜松医科大学

研究代表者

佐々木 茂和  浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (20303547)

研究分担者 中村 浩淑  浜松医科大学, 医学部, 教授 (60164331)
キーワード甲状腺ホルモン(T3) / 甲状腺ホルモン受容体(TR) / 甲状腺刺激ホルモンβ(TSHβ) / 転写調節 / GATA2 / high mobility group蛋白(HMG) / Pit1 / 負の調節(Negative regulation)
研究概要

甲状腺ホルモンによる甲状腺刺激ホルモン発現抑制機構に関する研究を行い以下の成果を得た。甲状腺刺激ホルモンβ鎖(TSHβ)のプロモーターにおいてその転写開始点直下に甲状腺ホルモン(T3)とその受容体(TR)によるへの負の調節(Negative regulation)に必要な領域(Negative Regulatory Element、NRE)が想定されている(Chin,W.W.et al.(1993)Recent.Prog.Horm.Res.48:393-414)。私達はこの領域にヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)がT3依存性にTRを介して呼び込まれることを報告した(Sasaki S,et al.(1999)EMBO J.18(19):5389-5398.)。NREのDNA配列からhigh mobility group(HMG)蛋白が結合することが予想された。近年樹立されたTSH産生細胞株TαT1にgel shift assayおよびdegenerated primerを用いたRT-PCRによってNRE結合蛋白としてHMG蛋白の一つであるSox11を同定した。さらにT3とTRによる転写活性化の研究で頻用されるサル腎臓由来のCV1細胞においてTSHβ鎖の負の調節を観察する実験系を確立し、Sox11の過剰発現によってTSHβ鎖へのT3による負の調節は解除される事が分かった。一方、CV1細胞を用いた実験系の確立はそれまで困難であったTSHβ鎖の負の調節の解析を格段に容易にした。驚くべきことにこの系を用いて負の調節に必須な領域を再検討したところ、従来必須と考えられていたNREを破壊しても負の調節は維持されることが判明した。その後の解析でTSHβ鎖プロモーターにとって必須の活性化因子である転写因子Pit1とGATA2のどちらかあるいはその両方が負の調節の主要な標的であることが分かった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kozo Nishiyama: "Differences between the silencing-related properties of the extreme carboxyl-terminal regions of thyroid hormone receptors alpha 1 and beta 1"J Endocrinol.. 167. 219-227 (2000)

  • [文献書誌] Akio Matsushita: "Very strong correlation between dominant negative activities of mutant thyroid hormone receptors and their binding avidity for corepressor SMRT"J Endocrinol.. 167. 493-503 (2000)

  • [文献書誌] Kozo Nishiyama: "Malignant hyperthermia in a patient with Graves' disease during subtotal thyroidectomy"Endocr J.. 48. 227-232 (2001)

  • [文献書誌] 佐々木茂和: "分子甲状腺学の進歩"ホルモンと臨床. 48. 187-197 (2000)

  • [文献書誌] 佐々木茂和: "転写調節と疾患"診断と治療. 89. 309-318 (2001)

  • [文献書誌] 松下明生: "TSH受容体不活性化型変異による家族性甲状腺機能低下症(TSH不応症)"日本臨床. 60. 284-290 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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