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2002 年度 実績報告書

消化管ホルモンの生理作用-受容体欠損マウスを用いた解析-

研究課題

研究課題/領域番号 12671081
研究機関京都大学

研究代表者

山田 祐一郎  京都大学, 医学研究科, 助教授 (60283610)

キーワードGIP / GLP-1 / インクレチン / 遺伝子欠損マウス / 肥満 / 糖尿病 / 脂肪細胞 / 骨代謝
研究概要

GIP(gastric inhibitory polypeptide)やGLP-1(glucagons-like peptide 1)は、糖質や脂質の経口摂取に伴い消化管から分泌されるホルモンである。これらのホルモンは、膵β細胞に作用してグルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進するが、他の生理作用については不明な点が多い。そこで、これらのホルモンに対する受容体欠損マウスを用いて解析を進め、平成13年度までの研究により、インスリン分泌以外に脂肪細胞に作用し糖質・脂質など栄養素の取り込みに関与していることを明らかにした。
次に、カナダ・トロント大学Drucker博士より提供を受けたGLP-1受容体欠損マウスをGIP受容体欠損マウスと交配し、インクレチン受容体のダブル欠損マウスを作製した。このマウスで糖負荷試験を施行すると、単独欠損マウスに比し耐糖能が悪化しており、これらの消化管ホルモンが糖代謝に関与していることを実証した。さらに、ダブル欠損マウスは、野生型や単独欠損マウスに比し、体長・体重が減少していた。そこで、骨の組織像を比較すると、ダブル欠損マウスでは骨粗鬆症に類似した組織所見が得られ、インクレチンが骨代謝にも作用していることを明らかにした。
このように、外界との接点に位置し、栄養素の摂取によって分泌される消化管ホルモンであるGIPとGLP1は、糖代謝・脂質代謝・骨代謝の調節因子として重要な役割をしていることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Miyawaki K: "Inhibition of gastric inhibitory polypeptide signaling prevents obesity"Nature Med. 8(7). 738-742 (2002)

  • [文献書誌] Ban N: "Nuclear Factor-la Recruits the Transcriptional Co-activator p300 on the GLUT2 Gene Promoter"Diabetes. 51(5). 1409-1418 (2002)

  • [文献書誌] Pamir N: "Glucose-dependent Insulinotropic Polypeptide Receptor Null Mice (GIPR-/-) Exhibit Compensatory Changes in the Enteroinsular Axis"Am J Physiol Endocrinol Metab. (in press). (2003)

  • [文献書誌] Shang W: "Effect of high dietary fat on insulin secretion in genetically diabetic Goto-Kakizaki rats"Pancreas. 25(4). 393-399 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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