研究課題/領域番号 |
12671087
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
杉本 利嗣 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00226458)
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研究分担者 |
千原 和夫 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00107955)
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キーワード | カルシウム感知受容体 / 副甲状腺 / 骨 / 副甲状腺ホルモン / 増殖 / ビタミンD受容体 / 副甲状腺機能亢進症 / 家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症 |
研究概要 |
1.骨芽細胞増殖と機能の調節におけるCa感知受容体(CaSR)の役割;CaSR作動薬等の検討より、細胞外Ca濃度上昇による増殖促進機序にP42/44とP38MAPkinase活性化を介する細胞内情報伝達機構が関わっていることを見い出した。一方、CaSRantisenseを導入した骨芽細胞株MC3T3-E1の検討等より、骨芽細胞に発現するCaSRは増殖のみならず機能の調節にも重要な役割を担っていることを明らかにした。2.原発性副甲状腺機能亢進症(pHPT)における副甲状腺のCaSR発現量と増殖能及び病態との関係:pHPT群の副甲状腺では正常群に比しCaSR発現の著明な低下と増殖能の指標であるKi67陽性数(KN)の増加が認められた。そしてKNとCaSR及び病態重症度にはそれぞれ高い負と正の相関が認められた。これらの相関関係は慢性腎不全に起因した二次性副甲状腺機能亢進症でみられた関係と同様であった。3.家族性低Ca尿性高Ca血症(FHH)例の検討:画像診断で明らかな副甲状腺腫大を呈したFHH2例を経験したDNA塩基配列とHEK細胞への導入による機能解析の結果、CaSRのヘテロの不活性型変異(R220WとR648stop)に起因するFHHであることを示した。一例は細胞内領域の変異であることより、この領域もCaSR活性化の情報伝達に重要な役割を担っていること、2と3の結果より副甲状腺に発現するCaSRは副甲状腺ホルモン(PTH)分泌のみならず副甲状腺細胞増殖の調節にも関わっていることが示された。
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