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2001 年度 実績報告書

糖尿病性神経障害の発症メカニズムに関する研究 -プロテインキナーゼC活性異常とポリオール代謝活性-

研究課題

研究課題/領域番号 12671107
研究機関名古屋大学

研究代表者

中村 二郎  名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40283444)

研究分担者 中島 英太郎  名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (50335030)
濱田 洋司  名古屋大学, 医学部・附属病院, 助手 (20293706)
キーワード糖尿病性神経障害 / シュワノーマ細胞 / ポリオール代謝 / プロテインキナーゼC / アルドース還元酵素阻害薬
研究概要

【目的】昨年度の研究により、高グルコース条件下ではラットシュワノーマ細胞(JS-1細胞)の細胞増殖能およびPKC-α活性が低下すること、またこれらの異常がポリオール代謝活性の亢進を介していることが明らかとなった。PKC-MAPKカスケードは、細胞の増殖・分化・アポトーシスに重要な役割を果たしていると考えられている。本研究では、神経系細胞における高グルコースがPKC-α-MAPKカスケードと細胞増殖能に及ぼす効果について検討した。
【方法】1)JS-1細胞を5.5mMあるいは20mMグルコース(G)条件下でアルドース還元酵素阻害薬(エパルレスタット:Ep;1μM)の存在下・非存在下で14日間培養、またはPKC-αアンチセンス処理あるいはp38MAPK特異的阻害剤であるSB203580(SB)処理を行った。2)細胞増殖能は[^3H]-thymidine取り込み能で、MAPK活性はリン酸化/総MAPK蛋白発現量で評価した。
【結果】1)p38活性は20mMG条件下で著明に低下し(5.5mMG;100%,20mMG;56.0±7.1,p<0.05)、Epによりその低下が抑制された(Ep;90.2±6.1)。2)PKC-αアンチセンス処理によりPKC-αのみならずp38MAPK活性は濃度依存性に低下した。3)PKC-αアンチセンス処理により細胞増殖能は濃度依存性に低下した(0μM;100%,0.5μM;88.5±2.2,2.5μM;46.0±5.8,5μM;9.2±1.4)。4)SB処理により細胞増殖能は濃度依存性に低下した(0μM;100%,0.1μM;76.1±7.6,1μM;59.0±2.2,10μM;22.3±2.2)。
【結論】これらの結果より、高グルコース条件下の神経系細胞ではポリオール代謝活性の亢進を介してPKC-αおよびp38MARK活性が低下することにより細胞増殖能が低下することが明らかとなり、糖尿病性神経障害の発症・進展に高グルコースによるポリオール代謝活性の亢進を介したPKC-α、p38活性の低下が関与することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yasuda Y: "Role of PKC and TGF-β receptor in glucose-induced proliferation of smooth muscle cells"Biochem Biophys Res Commun. 281. 71-77 (2001)

  • [文献書誌] Nakamura J: "Glucose-induced hyperproliferation of cultured rat aortic smooth muscle cells through polyol pathway hyperactivity"Diabetologia. 44. 480-487 (2001)

  • [文献書誌] Nakayama M: "Aldose reductase inhibition ameliorates pupillary light reflex and F-wave latency in patients with mild diabetic neuropathy"Diabetes Care. 24. 1093-1098 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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