研究概要 |
1.MIN6細胞のlarge cDNAシーケンシング インサートが一方向性を有するMIN6 cDNAライブラリーを作製した。2,700クローンの塩基配列を決定した。このうちdbESTとのホモロジー検索から膵β細胞に発現が限定されると予測される74クローンについてはノーザン法にて組織特異的発現を検討した。この1クローンに関しては、MIN6、α-TC1、NIH3T3、脳、肝、腎、腸、筋肉などを対象として、組織特異的発現をノーザン解析で検討したところ、MIN6細胞のみに発現が確認された。トリプシンと構造が類似しており、細胞内局在などについて検討中である。 2.DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析 計8,734個のマウスcDNAをスポットした既製のアレイ(Incyte社)に対して、MIN6および膵α細胞株α-TC1から抽出したpolyA RNAをそれぞれCy3およびCy5で蛍光標識し、ハイブリダイゼーション後、蛍光検出装置で両細胞間における発現量を比較した。両細胞間で数倍の発現の差が得られたクローンについては、ノーザン解析にて発現量の差異を確認した結果、DNAマイクロアレイの結果とノーザン解析の結果がほぼ一致していることを明らかにした。このうちESTとして報告されている遺伝子に関しては、マウスの複数の臓器におけるノーザン解析および塩基配列の解析を進めている。
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