研究課題/領域番号 |
12671115
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
吉本 勝彦 徳島大学, 歯学部, 教授 (90201863)
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研究分担者 |
水澤 典子 徳島大学, 医学部, 助手 (80254746)
板倉 光夫 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (60134227)
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キーワード | 膵島 / large scale cDNA sequencing / 膵β細胞特異的発現 / DNAマイクロアレイ |
研究概要 |
1.膵島6細胞に特異的に発現する遺伝子の解析 マウス膵島P細胞由来の細胞株MIN6細胞より作製したcDNAライブラリーの塩基配列を決定することにより、膵島β細胞に特異的に発現していると考えられる遺伝子を単離した。ノーザン法で解析する限り、MIN6細胞および膵島に発現が認められた。他の内分泌腺由来の細胞株においても発現は認められなかった。構造的にはセリンプロテアーゼと構造が類似しているが、HDSモチーフを2箇所に有する点で他のセリンプロテアーゼとは異なり、isletasinと命名した。細胞内では、初期エンドソームの内腔に密接した状態で存在すると考えられる。ゲノム概要シークエンスより、ヒトおよびラットのホモログの構造を明らかにした。またプロテアーゼ活性化に必要な塩基配列を有さないこと、また本遺伝子産物は実際にプロテアーゼ活性を証明できないことより、他の機能を有していることが推測された。 2.DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析 計8734個のマウスcDNAをスポットしたアレイに対して、MIN6および膵島α細胞株α-TC1.6から抽出したRNAを用いて、両細胞間における遺伝子発現量を比較した。両細胞間で数倍の発現の差が得られたクローンについては、ノーザン解析にて発現量の差異を確認した。その結果、DNAマイクロアレイの結果とノーザン解析の結果がほぼ一致していることを明らかにした。さらに腸内分泌細胞株でproglucagon遺伝子を発現しているGLUTag細胞とMIN6細胞あるいはα-TC1.6細胞間の遺伝子発現の差異をDNAマイクロアレイで検討した。その結果、α-TC1.6の発現パターンは膵島細胞株であるMIN6細胞よりも同じproglucagon遺伝子を発現しているGLUTag細胞の発現パターンにより類似していることを明らかにした。
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