研究課題/領域番号 |
12671119
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 秋田大学 (2001) 鹿児島大学 (2000) |
研究代表者 |
加計 正文 秋田大学, 医学部, 助教授 (90214270)
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研究分担者 |
伊藤 正毅 秋田大学, 医学部, 教授 (40126389)
中田 正範 自治医科大学, 医学部, 講師 (10305120)
矢田 俊彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60166527)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | インスリン分泌 / K-ATPチャネル / スルフォニル尿素薬 / 膜リン脂質 / β細胞 / アクチン / ATP / 糖尿病 |
研究概要 |
K-ATPチャネルはスルフォニル尿素薬受容体であるSUR(sulfonylurea receptor)と内向き整流KチャネルKir6.2の異種複合体として構成されているが、これらのサブユニット蛋白間の情報伝達には細胞内Ca^<2+>が抑制的に働くことを明らかにした。また、活性酸素処理による細胞内代謝抑制時にもスルフォニル尿素薬によるチャネル抑制の効力が低下するがその場合にはATP濃度を10μM以下まで低下させる必要があった。従って、生理的には細胞内ATP濃度の低下のみでは両蛋白間の情報伝達抑制効果を説明することは困難と思われた。細胞骨格のアクチンは両サブユニット蛋白間のSUの情報伝達を安定化し、PIP_2はその作用を保持した。細胞内カルシウムの増加は両サブユニット間の情報伝達を低下させた。また、PIP_2はATPと協同してアクチン分子を安定化することにより、両サブユニット間の情報伝達を保持する作用が明らかになった。Ca^<2+>はアクチンに対しては、抑制的(脱重合作用)に作用した。PIP_2はこれらの作用以外にも直接チャネルに作用し、ATP感受性を低下させチャネルを活性化していた。細胞膜ATP受容体を刺激すると、膜内PIP_2の低下をきたし、K-ATPチャネル電流が減少することを見出した。これらの結果は膜内PIP_2レベルがチャネルのbasalな活動を既定していることを示唆していた。このように、K-ATPチャネル活動並びにSU薬によるチャネル抑制は膜リン脂質、カルシウム、アクチン等により機能調節を受けている。以上より、PIP_2・K-ATPチャネル・細胞内Ca^<2+>・アクチン・ATPの機能的クロストークが明らかになった。
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