研究課題/領域番号 |
12671121
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
塩井 淳 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90260801)
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研究分担者 |
城野 修一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60336790)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | インターフェロンγ / 活性型ビタミンD / マクロファージ / 動脈硬化 / 血管石灰化 / サイトカイン / アポEノックアウトマウス / ビタミンD受容体ノックアウトマウス |
研究概要 |
本研究により、動脈硬化病変およびそれに伴う石灰化の発症機構にビタミンDが重要な役割を果たしていることが明らかにされた。まず、in vitroでの研究から、動脈硬化巣に浸潤するマクロファージにおいて1α水酸化酵素が誘導されている可能性が示唆された。また、共存培養系を用いた研究から、動脈硬化巣において炎症細胞(主としてマクロファージおよびT細胞)と平滑筋細胞との相互作用を介して、平滑筋細胞が石灰化形質を獲得する可能性が示された。その際、平滑筋細胞におけるアルカリフォスファターゼ(ALP)の発現が重要であり、このことは動脈硬化モデル動物(WHHLウサギおよびApoEノックアウトマウス)の病変部特に石灰化を伴う病変においてALPの発現が確認された。さらに、平滑筋細胞の形質変化には、IFN-γなどにより活性化されたマクロファージ由来のサイトカイン(TNF-αおよびOSM)が重要な役割を果たしているも明らかにされた。特に、活性型ビタミンDがマクロファージにおけるOSMの産生を強く刺激することから、ビタミンDはOSMの作用を介して動脈硬化および動脈石灰化の発症・進展に関与する可能性も示唆された。平滑筋細胞におけるALPの発現誘導には、NF-kBおよびp38 MAPキナーゼが関与している可能性も示唆された。最後に、in vivoでのApoEおよびビタミンD受容体遺伝子の2重欠損マウスを用いた研究から、動脈硬化症の発症・進展にビタミンD作用が関与していることが示された。
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