研究概要 |
平成12年度よりアップルペクチン由来のオリゴ糖を平均重合度により4群に分画してDNAに対する酸化的損傷の予防に対する効果を検討するために、各分画における・OH、・O_2^-ラジカルに対する抑制能をESR法を用いて、低分子領域に活性酸素消去能が高いことを明らかにした。平成13年度は、この低分子領域のアップルペクチンの製品化を試み、22.5%の含有アップルペクチン低分子オリゴ糖D1,D2を開発し、このD1,D2のラジカル抑制、DNA損傷の予防などを明らかにして高機能アップルペクチン低分子オリゴ糖を完成させた。平成14年度には、この高機能アップルペクチン低分子オリゴ糖をヒトに摂取させ、血流動態がどのように改善するかをMC-FANを用いて血流速度が改善することを明らかにした。更に、平成14年度末から活性酸素の内でも明らかにされていなかったパーオキシナイトライト(ONOO^-)とペルオキシラジカル(ROO・)の消去活性について明らかにすることにした。 パーオキシナイトライト(ONOO^-)の消去活性については、DCDHF(ジクロロフルオレシン)法を用いて検討したところ、低分子量のPOS-Sに2.4(力価)、POS-Hは80.8と120度に加熱したPOS-S成分が極端に高いことが判明し、製品化された高機能アップルペクチン低分子オリゴ糖は26.6と加熱しない低分子量のどの分画よりも高い力価を示した。また、ペルオキシラジカル(ROO・)の消去活性を、DPPH(1,1-ジフェニルピクリルヒドラジカル)法によって検討したところ、POS-Hが2.04(力価)で低分子領域のアップルペクチン4分画では最も高い値を示したが今回製品化された高機能アップルペクチン低分子オリゴ糖は4.47と素晴らしい力価をし示した。 今後の課題としては、今回の平成12年度から14年度までの3年間の課題研究において、活性酸素を抑制するDNA損傷を非常によく予防すると思われる高機能アップルペクチン低分子オリゴ糖の完成に至ったわけであるが、ヒトにおけるin vivoでのDNA損傷の程度を8-OHdG生成速度、細胞膜損傷程度はイソプラスタン生成速度、ユビキノール酸化率などから生体内での抗酸化力を検定する必要があるが今回の研究の結果、」高機能アップルペクチン低分子オリゴ糖を商品化したことにより、多くのリスクファクターを有する人たちへの生活習慣病の予防に貢献するものと考える。
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