研究課題/領域番号 |
12671153
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮本 正章 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (50229895)
|
研究分担者 |
高橋 玲 京都大学, 医学研究科, 助教授 (60144565)
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
井上 一知 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (90168435)
|
キーワード | バイオ人工膵 / 膵幹細胞 / 細胞移植 / 糖尿病 / PGP9.5 |
研究概要 |
難治性糖尿病に対する根本的かつ普遍的な治療法を確立すること、すなわち臨床応用可能なバイオ人工膵を開発し、バイオ人工膵の腹腔内移植治療法のみならず皮下移植治療法を確立することにある。我々がこれまでに開発したバイオ人工膵は秀れた免疫隔離システムを有することがすでに実証されているので、本研究では、移植後に十分な血管新生の誘導が期待できるような免疫隔離デバイスの開発をめざした。移植後のデバイス周辺に豊富に血管新生が誘導されれば,デバイス内の膵島細胞に十分な酸素や栄養がとりこまれ、長期の生着延長へとつながるものと予期される。予備実験として、種々の高分子素材をデバイスに付加して糖尿病ラットの腹腔内へ移植し、その生着機能について比較検討したところ、エチレンテレフタレート(PET)を付加した時に、最も豊富に血管新生が誘導され、生着延長につながることが判明した。同様に予備実験として、今度は塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)を用いた徐放性デバイスを作製し糖尿ラットに皮下移植したところ、生着の延長とともにデバイス周辺の豊富な血管新生の誘導が惹起された。本研究においては、予備実験で得られたデーターをもとに斬新な工夫、及び改良を重ね、確実に、しかも再現性を持って十分に血管新生が誘導されるようなデバイスの開発をめざした。さらに、デバイスに封入するバイオリアクターとしては、分離イヌ膵島、分離成熟ブタ膵島はもちろんのこと、新たにミニブタからの膵島分離法の確立した。さらに、改良を重ねたバイオ人工膵を用いた同種移植(心停止ドナー膵)及び異種移植(成熟ブタ及びミニブタ膵島)の臨床応用実施(腹腔内及び皮下移植)をめざしたい。これらの目的は期間内に十分に到達可能であると考えている。
|