研究概要 |
本年度はカテプシンBインヒビター(CA074)による異種リンパ球混合培養抑制効果の検討を行った。放射線照射したF344ラットの脾細胞およびB細胞除去脾細胞、さらに赤血球を刺激細胞とし、B6マウスの脾細胞およびB細胞除去脾細胞を反応細胞とするリンパ球混合培養(MLR)を行い、回収16時間前に[^3H]-thymidine 0.5 μCi/well投与し、cell harvester,liquid scintillationにて取り込みを測定した。CA074の濃度は0,3,10,30,100μg/mlを設定、co-cultureし同薬剤によるMLR抑制効果を検討した。この実験により1)間接的認識のみが関与するMLRのpeakは、Day6、直接および間接的認識が関与するMLRのpeakはDay5であった。2)各々のpeakにおいて、CA074 100μg/mlは、直接および間接的認識が関与するMLRを部分的に、間接的認識のみが関与するMLRを完全に抑制した。3)CA074の間接的認識のみが関与するMLRに対する抑制効果はdose dependentであった。という結果が得られた。さらに本年度は直接的認識のみが関与するMLR単独の実験系を作成するためCephadexによる抗原提示細胞の分離を試みたが、安定した結果が得られず、今後の検討課題であると思われた。 またヒトリンパ球を反応細胞とし、マウス脾細胞を刺激細胞としたMLRも施行したが反応性が低かった。今後実験系を安定させこれにCA074を用いた実験を行う予定である。
|