研究課題
1)雑種成犬を用いて、in vivoの虚血・再潅流実験を行い、FR167653の効果を確かめた。膵体尾部を剥離、露出して脾動静脈のクランプをかけて60分虚血を行い、再潅流を行う。コントロール群とFR167653を加えた群で組織血流、IVGTT、血中アミラーゼ、クレアチニン、グルコース、動脈血ガス、GOT/GPT、IL-1βmRNAの経時的変化を術後3日目まで計測し、3日目にsacrificeして膵、腎、肝、肺の組織を採取し、組織学的検討も加えた。FR群は虚血・再潅流障害を受けた直接臓器のみならずサイトカインの産生を抑制することによって遠隔臓器の障害を軽減することが証明された(Surgery in press)。2)雑種成犬を用いて、左腎のみの虚血・再潅流モデルを作り同様の実験を行い、FRの有効性を証明し、本年の外科学会で発表予定である。3)膵体尾部の自家移植モデルにFRを用い、同様の実験を行い、外科学会の口演に予定されている。4)膵体尾部と左腎の同時虚血・再潅流モデルの作成に成功し、モデルの妥当性とFRの有効性を示すデータが得られている。5)ビーグル犬を用いて、膵腎同時移植モデルの実験を行い、まずは脳死ドナー、つづいて心停止ドナーを予定している。
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