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2001 年度 実績報告書

CrmA及びFasLの遺伝子導入を用いた肝移植拒絶反応抑制効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12671171
研究機関国立小児病院(小児医療研究センター)

研究代表者

梨井 康  国立小児病院, (小児医療研究センター)・実験外科生体工学研究部, 研究員 (60321890)

研究分担者 鈴木 盛一  国立小児病院, (小児医療研究センター)・実験外科生体工学研究部, 部長 (00111386)
奥山 虎之  国立小児病院, (小児医療研究センター)・先天異常研究部, 室長
木村 広光  国立小児病院, (小児医療研究センター)・実験外科生体工学研究部, 室長 (80115477)
キーワードアデノウイルスベクター / Fas-ligand / CrmA / 臓器移植 / Cre / loxP / アポトーシス / 遺伝子治療 / 肝臓
研究概要

本研究では、昨年の結果を踏まえて、Fasリガンド、CrmAの各遺伝子を導入したラット同種肝移植における生存延長効果について検討した。同種異系の臓器移植における拒絶反応の主体は活性化細胞障害性リンパ球(CTL)である。活性化したリンパ球はFas抗原を多量に発現していることから、移植肝にFasリガンドを発現させることにより浸潤リンパ球にアポトーシスを誘導することが可能と考えられる。Fasリガンドを発現させたドナー肝を同種移植したところ、生存期間の中央値が29日と有意に延長していた。一方、拒絶反応においてはCTLの活性化により移植片細胞がアポトーシスに陥る。移植細胞内においてはアポトーシスのシグナルが伝わっていく。その経路として、Fas/Fasリガンド系、パーフォリン/グランザイム系があることか明らかにされている。アポトーシスのシグナル伝達の抑制を意図し、CrmA遺伝子をドナー肝に導入することを行った。その肝を同種移植して、レシピエントの生存期間を検討したところ、21日まで生存期間が延びた。肝にFasリガンドを強発現させると好中球をよびよせ劇症肝炎を発症させる。そこで、CrmAを発現させることによって、Fasリガンドによる肝炎を防止し、Fasリガンドの強発現を可能にできると考え、検討を加えたが、さらなる生存延長効果は認められなかった。組織学的検討では移植後5日目の組織所見では、対照群(LacZ導入群)では単核球の浸潤や門脈周囲の出血壊死が認められるが、Fasリガンド遺伝子導入群及びCrmA遺伝子導入群ではいずれも、それらの所見は軽減されている。免疫染色による組織像では、2導入群でCD2陽性のTリンパ球浸潤が門脈周囲及び肝組織間質のいずれも対照群に比べて有意に減少していた。また、両群ともTUNEL染色にて肝細胞アポトーシス像は減少しており、Fasリガンド導入群では門脈周囲浸潤単核球のアポトーシスも観察された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] X-K.Li, et al.: "Fulminant Hepatitis by Fas-Ligand Expression in MRL-lpr/lpr Mice Grafted with Fas-Positive Livers and Wild-Type Mice with Fas-Mutant Livers"Transplantation. 71. 503-508 (2001)

  • [文献書誌] M.Fujino, et al.: "In vitro prevention of cell-mediated xenograft rejection via the Fas/FasL-pathway in CrmA-transducted porcine kidney cells"Xenotransplantation. 8. 115-124 (2001)

  • [文献書誌] M.Fujino, et al.: "Selective repopulation of mice liver after fas-resistant hepatocytes transplantation"Cell Transplantation. 10. 353-361 (2001)

  • [文献書誌] X-K.Li, et al.: "アデノウイルスペクターを用いたFasリガンド、CrmA発現によるラット肝移植の生着延長効果"移植. 36(5). 303-315 (2001)

  • [文献書誌] X-K.Li, et al.: "Prolongation of transgene by co-expression of cytokine response modifier A in rodent liver after adenoviral gene transfer"Molecular Therapy. (In press).

  • [文献書誌] L Guo, et al.: "Prolonged survival in rat liver transplantation woth mouse monoelonal antibody against an inducible co-stimulator (ICOS)"Transplantation. (In press).

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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