研究概要 |
本研究の目的は近年、新たに見出された免疫担当細胞、NKT細胞の移植免疫に於ける役割をマウス同種膵島移植の実験系を用い、明らかにしようとするものである。 平成12年度の研究ではNKT細胞欠損マウスを用いて移植前輸血(Donor specific transfusion ; DST)による同種膵島移植拒絶反応の制御にNKT細胞が必須の役割を担っていることを明らかにした。平成13年度はどの様なmoleculeがNKT細胞の作用発現に関与しているかを明らかにすべく以下の実験を行った。 グラフトが長期生着したレシピエントの移植部位:肝臓よりNKT細胞分画をFACS-sortingで取り出し、mRNAを抽出し解析した。当初、RNA protection assayでlymphokines(IL-2,IL-4,IL-10,IL-12,TGF-beta, ICOS)発現の検索を試みたが得られる細胞数、mRNA量が少なく、本実験には適さないことが判明した。現時点ではreal-time PCRでの解析を行っている。 NKT細胞のFACS解析で膵島の移植部位である肝臓のNKT細胞にはInducible costimulator(ICOS)が発現し、移植後の抗ICOS抗体の投与によりグラフト生着延長が得られることが明らかになった。肝臓内NKT細胞は大部分がCD4陽性細胞であるが、NKT細胞がCD4陽性T細胞のTh1,Th2の分化に関与していると考えられ、両者のcytokine profileを遺伝子レペルで比較検討している。 また、CTLA4-Igによる拒絶反応の制御について、マウス同種膵島移植、ラット同種肺移植の系で明らかにした。
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