研究課題/領域番号 |
12671198
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
軍司 祥雄 千葉大学, 医学部, 講師 (60241957)
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研究分担者 |
島田 英昭 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (20292691)
松原 久裕 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (20282486)
落合 武徳 千葉大学, 医学部, 教授 (80114255)
田川 雅敏 千葉県がんセンター, 病理研究部, 部長
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キーワード | 樹状細胞 / Th1サイトカイン / アデノウイルスベクター / IL-2 |
研究概要 |
1.ヒトIL-2遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターAxCAhIL-2を札幌医大の濱田教授より供与いただいた。1×10^5のマウス結腸癌細胞colon 26に2種類のbatchのアデノウイルスベクターを用いてM.O.I.30で感染させ2日後のIL-2産生量を測定するとそれぞれ74.3pg/ml,25548pg/mlであった。low producerおよびhigh producerのadenovirus vector batchとして実験に用いた。 2.このアデノウイルスベクターAxCAhIL-2を用いてマウス結腸癌細胞colon 26にヒトIL-2遺伝子を導入した。感染効率を調べるためにMOI 10,30,100で比較し、MOIの増加に比例してIL-2の産生量が増加することを確認した。 3.M.O.I.30でAxCAhIL-2を2時間感染させたcolon 26のin vitroでの増殖をみると親株との増殖に差異は見られなかった。AxCAhIL-2を遺伝子導入したcolon 26のin vivoにおける増殖能力を同系マウスであるBalb/cにおいて確認した。low producerおよびhigh producerのAxCAhIL-2を感染させたcolon 26をBalb/Cマウス皮下に局注すると有意に腫瘍増殖が抑制された。しかし、retrovirus vectorで腫瘍細胞内にIL-2遺伝子を組み込んだ場合にみられたような腫瘍の完全退縮は見られなかった。 4.次に、マウスIL-4およびGM-CSF(1000u/ml)を用いてBalb/c(nu+/nu+)(nu-/nu-)マウスの骨髓細胞を培養し樹状細胞を誘導した。樹状細胞の増殖動態を確認し、5日目から樹状突起が明確になることを確認した。樹状細胞にMOI30でAxCAhIL-2を2時間感染させて、ヒトIL-2遺伝子の遺伝子導入を試みた。Balb/c(nu-/nu-)由来の骨髄細胞への感染により、Balb/c(nu+/nu+)より、約2倍の産生が見られた。 5.現在、in vivoにおいてcolon 26の皮下腫瘍モデルを作成し、腫瘍内へAxCAhIL-2感染樹状細胞の局注を行い、抗腫瘍効果を確認している。
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