研究課題/領域番号 |
12671200
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
島田 英昭 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (20292691)
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研究分担者 |
舟波 裕 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (70312949)
林 秀樹 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (20312960)
鍋谷 圭宏 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (40322028)
落合 武徳 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80114255)
松原 久裕 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (20282486)
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キーワード | 食道癌 / 腫瘍マーカー / p53抗体 / VEGF / PyNPase / FasL / IAP |
研究概要 |
血清パネル検査による食道癌の悪性度診断に関する研究。 本研究は、癌患者血清中の微量タンパクをELISA法にて検出することで、癌の悪性度を診断するものであり、(i)化学療法・放射線療法感受性の予測、(ii)再発の高危険群の選別、(iii)患者免疫能の評価、(iv)治療効果の判定を行うことを目的としている。研究目的のために350例の食道癌患者から文書による同意の基に血清を採取し保存している。予後ならびに臨床病理学的因子との関係を検討した。ELISAによる解析結果は以下のごとくである。 (1)p53抗体は、約30%の症例で陽性であり、早期癌でも陽性症例を認め、予後ならびに化学・放射線療法の治療効果と有意に関係していた。 (2)血管新生因子である血清VEGF値、血清PyNPase(PDECGF)値は、腫瘍の進行度と相関関係を認め、予後と有意に相関した。 (3)患者免疫能のマーカーとして血清IAP値は、腫瘍進行度と有意に相関し、予後因子であった。 (4)血清FasL値は、早期癌症例でも陽性例を認め、有意に予後因子であった。 以上のデータについて単変量解析、多変量解析を行い、独立した予後因子となるか否かを検討中である。今後、複数の因子を組み合わせることによって、より鋭敏なマーカーになりうる組み合わせを考案する予定である。最終的には、各マーカー別のスコア表を作成して、総合スコアによりTNM分類を補完する指標を提唱したい。
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