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2000 年度 実績報告書

脳腸相関から見た消化管機能異常症の治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12671222
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

山本 育男  滋賀医科大学, 医学部, 助手

研究分担者 藤村 昌樹  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (50115771)
藤宮 峯子  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (10199359)
キーワード意識下無拘束ラット / 胃腸運動 / 脳室内投与 / NPY / Yレセプター / CRF / ウロコルチン
研究概要

平成12年度の研究で、まず、意識下無拘束ラットの脳室内に摂食を亢進または抑制させることで知られる種々のペプチドを投与した際の消化管運動の測定を行ない以下のような結果を得た。胃、十二指腸に内在測定用のカラーテルを挿入し、圧トランスジューサーに接続し、胃十二指腸運動を測定したところ、動物が空腹の時には、10分間に1回の周波数の低い空腹期運動が観察され、この波形は、これまでMMC(migrating myoelectric complex)a phase IIIと呼ばれていた波形に相当する。動物がエサを食べると、空腹期の運動は消失し、1分間に1回の不規則な波形に変化する。意識下動物の消化管運動は、このように空腹期運動と食後期の運動に分けられる。摂食を亢進させることで知られる脳内ペプチドであるNPYを脳室内投与すると、食後期の運動パターンが消失し、空腹期の運動パターンに切り変わった。レセプターレベルでの検索を行なうと、脳内のY_2Y_4レセプターを介してこの反応が起こることがわかった。迷走神経切除術によってこの反応がブロックされることより、脳内のNPYは、Y_2、Y_4レセプターを介して迷走神経を経由して消化管の空腹期運動をひき起こすことがわかった。次に摂食を抑制することで知られるCRF type2リセプターのリガンドであるウロコルチンを脳室内および末梢投与して消化管運動に与える影響を調べた。ウロコルチンを脳室内投与すると、胃および十二指腸の空腹期運動が消失して、食後期の運動パターンに切り変わることがわかった。また末梢投与でも同様の反応がみられた。さらにウロコルチンの脳室内および末梢投与で、胃の食後期運動の%Motor Index(%MI)が抑制され、十二指腸の食後期運動の%MIが増強した。以上の実験結果より消化管運動は中枢の神経ペプチドによって制御されており、摂食行動と消化管運動が密接に関係することがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Fujimiya,E.Itoh,N.Kihara,I.Yamamoto,M.Fujimura,A.Inui: "Neuropeptide Y induces fasted pattern of duodenal motility via Y_2 receptors in conscious fed rats."American Journal of Physiology Liver Physiol.Gastrointest,. Vol278(1). G32-G38 (2000)

  • [文献書誌] I.Yamamoto,M.Fujimura,N.Kihara,K.Kumano,T.Yamada,H.Yamamoto,M.Fujimiya: "Nitric Oxide formation in the dog sphincter of Oddi from nitric oxide donors as measured with in vivo microdialysis."Alimentary Pharmacology & Therapeutics. Vol(418). 1095-1101 (2000)

  • [文献書誌] K.Kumano,M.Fujimura,S.Oshima,H.Yamamoto,N.Hayashi,T.Nakamura,M.Fujimiya: "Effects of VIP and NO on the motor activity of vasularly perfused rat proximal colon"Peptides. Vol 22(1). 91-98 (2001)

  • [文献書誌] N.Kihara,M.Fujimura,I Yamamoto,E.IToh,A.Inui,M.Fujimiya: "Effects of central and peripheral urocortin on fed and fasted gastroduodenal motor activity in conscious rats."American Journal of Physiology. Liver Physiol.Gastrointest.. vol280(3). G406-G419 (2001)

  • [文献書誌] P-L.Yu,M.Fujimura,N.Hayashi,T.Nakamura,M.Fujimiya: "Effects of intraluminal pH, nevronal and hormonal mechanisms in regulating the release of serotonin from the perfused rat stomach"American Journal of Physiology Liver Physiol Gastrointest.. (in press). (2001)

  • [文献書誌] H.Takahara,M.Fujimura,S.Taniguchi,N.Hayashi,T.Nakamura,M.Fujimiya: "Changes in serotonin levels and S-HT receptor activity in the duodenum of streptozotocin-diabetic rats."American Jouranl of Physiology Liver Physiol.Gastrointest.. (in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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