研究課題/領域番号 |
12671234
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
清水 周次 九州大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70274454)
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研究分担者 |
千々岩 一男 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (90179945)
山口 幸二 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (50191226)
黒木 祥司 九州大学, 医学部・附属病院, 講師 (30215090)
山口 登喜夫 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (30134745)
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キーワード | ビリルビン / 敗血症 / 酸化ストレス / 抗酸化剤 / 尿 / 重症度 / 外科手術 / 合併症 |
研究概要 |
敗血症患者における尿中ビリルビン酸化物(BOM)測定の有用性を検討するため、以下の研究を行った。当科に入院した消化器外科領域の敗血症患者19例について尿中BOMを免疫酵素抗体法にて測定し、対照群28例と比較した。さらに尿中BOMと他の炎症性マーカーとの相関を検討した。各群の平均年齢はそれぞれ69.4±1.7才、58.5±2.8才、男女比は12:7および17:11で、敗血症の原因疾患は腹膜炎6、肝膿瘍3、胆道感染3、その他7例であった。尿中BOMは敗血症群21.6±2.5、対照群1.4±1.4μM/mg creatinineと敗血症群で約17倍と有意(P<0.001)に高値であった。尿中BOMと体温、末梢血中白血球数、血清CRPとの間には強い正の相関を認めた(各々P<0.001)。尿中BOM値のカットオフ値を5μM/mg creatinineとするとその感度は100%、特異度は96.6%であり、体温、白血球数、CRPの感度(各々90、85、100%)、特異性(97、97、59%)よりも良好であった。敗血症患者における尿中BOMの著しい上昇は、生体内の酸化ストレスの程度を鋭敏に反映しているものと考えられ、かつ尿中BOMは体温、白血球数、CRPなどの炎症性マーカーとよく相関し、感度、特異度ともに非常に優れていた。以上より、尿中BOMは敗血症時の重症度の指標として有用なマーカーとして用いうる可能性が示された。 現在は、尿中BOM測定が、敗血症も含んだ術後合併症の早期診断に有用であるかを検討するため、胃切除術、大腸切除術、肝切除術、膵切除術、胆道切除術、肺切除術を受ける患者より術前後の連日尿をBOM測定用に採取中である。これらの検体は現在までに70症例分を収集済みであり、目標症例(100例)の採取、BOMの測定およびデータの解析も予定期間中に終了する見込みである。
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