研究課題/領域番号 |
12671244
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
石川 孝 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80275049)
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研究分担者 |
岡崎 康司 横浜市立大学, 理化学研究所, チームリーダー (80280733)
林崎 良英 横浜市立大学, 理化学研究所, プロジェクトリーダー (70192705)
市川 靖史 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70254208)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | cDNA microarray / 大腸癌 / 遺伝子発現 / データ解析 |
研究概要 |
大腸癌の手術症例を用いて、リンパ節転移を規定する遺伝子群の抽出、言い換えれば、リンパ節転移の有無を予測する遺伝子セットの作成を試みた。31例の大腸癌症例で再現性の確認された約10000の遺伝子の発現について、前述の階層的クラスタリングを行うと、リンパ節転移を有する症例と有さない症例が2群に分類されたが、不完全である。そこで、粘膜下層までの進達度の大腸癌14例にしぼり、病理学的にリンパ節転移のある群とない群に分け、両群間でT検定を行い、有意差のある発現を示した22遺伝子群を抽出して、再度、クラスタリングするとリンパ節転移の有無で大腸癌が2つのグループに分類された。ここで、病理学的にはリンパ節転移が証明されていない2例が、転移のない他の症例とは離れて別のグループを形成していた。この2例は腫瘍組織のリンパ管浸潤が著明であり、これらのリンパ節には病理診断では認識できなかった微小転移がある可能性が考えられた。このような解析を行う上で、作成した遺伝子セットが、新たな症例(future sample)でも、同様に予測し得るかについての検討が必要となった。病理学的に明らかに診断のついた大腸腺腫、原発性大腸癌、大腸癌転移巣をテストサンプルに用いて、大腸腫瘍の悪性状態を特徴づける遺伝子群の抽出を試みた。Pearson correlation coefficientなどの統計学的手法を応用し、最終的に独自の解析方法であるAlgorithm for Diagnosing Malignant State(ADMS)を開発し、この解析方法を用いて、future sampleについても、その悪性度の予測が可能な335個の遺伝子セットを作成した。この335遺伝子には、アポトーシス、細胞回転、接着因子に属する135の既知の遺伝子が含まれていた。この中に、臨床に応用可能な新規遺伝子が含まれる可能性があり、現在、侯補遺伝子についてのさらなる検索を行っている。
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