昨年度まで申請者は、胃癌手術合理化を目的とした新しいナビゲーションシステムの開発に関する研究として、新しいモノクローナル抗体にPEGを結合させた放射標識抗体を作成しその基礎的検討を行なってきた。平成13年度はこの抗体をヒトに応用するにあたって、動物を用いてその特性を明らかにし、直ちに臨床応用できるような素地を構築することを研究の目的とした。 1)PEG化抗体に1 2 5-Iを標識し、これを担癌ヌードマウスに投与し、体外からの検出が可能かどうかとその精度を計測した。ガンマーカウンターにて経時的に各臓器の放射活性を計測すると、投与後24時間で腫瘍部への活性が最も高く、また他の正常臓器とのコントラストが最高になった。PEG抗体は元の抗体に比し高い腫瘍選択性を示した。また抗原活性は低かった。 2)全身麻酔下にウサギを開腹し、胃の粘膜下に放射抗体を投与し、各臓器、特に所属リンパ節への分布を計測した。PEG化抗体、元の抗体それぞれ5匹ずつ行った。双方ともリンパ節集積性は高く、リンパ節転移を検出するのに充分であった。
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