研究課題/領域番号 |
12671256
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
紫藤 和久 自治医科大学, 医学部, 助手 (90285792)
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研究分担者 |
塚本 俊彦 北里大学, 薬学部, 助教授 (10236862)
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キーワード | 大腸菌MutS蛋白 / ミスマッチ修復遺伝子 / 遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC) / hMLH1遺伝子 / hMSH2遺伝子 / Japanese clinical criteria / hMLH1メチル化 / BRAF遺伝子 |
研究概要 |
ミスマッチ修復酵素である大腸菌MutS蛋白とリゾルベース酵素を改良することにより、遺伝子変異の検出能を向上させるように検討してきた。それと並行してHNPCC (Hereditary Nonopolyposis Colorectal Carcinoma)を拾い上げるために有効な方法論について452例の大腸癌症例について検討した。その結果Japanese clinical criteriaAは生殖細胞変異を調べるべき症例を選択するのに適切であり、そのうち50歳未満でTGFβRII変異があり、MSH2およびMLH1の免疫染色発現が低下しているマイクロサテライト不安定性陽性大腸癌について生殖細胞変異を検討することがHNPCCの拾い上げに最も有効であると考えられた。この症例のうちでダイレクトシークエンスによりhMLH1・hMSH2遺伝子の変異が明らかになったものに対して、先に遺伝子変異検出法を施行し、高率に変異を検出することができた。しかしながら遺伝子変異がない症例(正常例)に対して行ったところ、異常であると判定されるものもあり、この方法の特異度については今後の検討が待たれると考えられた。この研究で扱った症例中に、マクロサテライト不安定性を有する早期小腸癌を発生したHNPCC例が見つかり、外国誌に報告している。 またミスマッチ遺伝子異常を伴わないマイクロサテライト不安定性陽性大腸癌について、hMLH1のメチル化とBRAF遺伝子変異について検討し、次のような結果を得た。それは、BRAF遺伝子異常(活性化)はhMLH1のメチル化を有する右側大腸癌の発癌に深く関わることが示唆されるというものであった。
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