研究課題/領域番号 |
12671257
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
栗原 克己 自治医科大学, 医学部, 助手 (20275697)
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研究分担者 |
永井 秀雄 自治医科大学, 医学部, 教授 (00164385)
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キーワード | PP染色 / Wirsung管 / Santorini管 / 腹側膵 / 背側膵 / 三次元構築コンピュータシステム / 立体構築 |
研究概要 |
1.PP細胞の豊富な腹側膵とPP細胞に乏しい背側膵の間には膵管分枝の交通のない疎な面(dividing plane)が存在していた。このdividing planeは平面に近い比較的単純な緩やかな曲面を呈していた。 2.腹側膵領域と背側膵領域の境界部には組織学的に疎性結合織よりなる疎な間隙を有しており、この間隙がdividing planeと一致していた。 3.Dividing planeと膵頭部周囲組織との関係では、すべての症例で「総胆管が膵上縁で接する部位」、すべての症例で「門脈右側縁」、52%(約半数)の症例で「膵前面アーケード動脈が走行する逆V字型切痕部」が、正確かつ容易にdividing planeに入れる重要な外科解剖学の指標であった。 4.腹側膵膵管系と背側膵膵管系の発生学的癒合点(ontogenetic fusionは、one-ontogenetic fusion型とtwo-ontogenetic fusion型が認められた。One-ontogenetic fusion型は、膵管造影で認められる形態学的なWirsung管とSantorini管の合流部(W-S junction)より0.5〜1.0cm主乳頭側のWirsung管上に存在していた。一方、two-ontogenetic fusion型は、腹側膵膵管と背側膵膵管の癒合点が、W-S junctionと主膵管(体尾部Wirsung管)上の2ヶ所で存在していた。 5.One-ontogenetic fusion型とtwo-ontogenetic fusion型の鑑別に、W-S junctionでできるSantorini管とWirsung管との角度(S-W angle)と、主乳頭からW-S junctionまでの距離が有用であることが明らかになった。
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