研究概要 |
Peutz-Jeghers症候群(PJS)9家系10人の患者から得られた27個の過誤腫性ポリープについて、原因遺伝子であるLKB1遺伝子の生殖細胞変異を解析するとともに、LKB1遺伝子体細胞変異およびその他の癌抑制遺伝子や癌遺伝子(APC, P55,β-catenin, K-ras)の体細胞変異を解析した。LKB1遺伝子の生殖細胞変異がPJS6家系で検出された。LKB1遺伝子の体細胞変異が5個のポリープで検出され、19pLKB1 locusのLOHが他の14個のポリープで検出された。大腸と胃のポリープ内に存在する腺腫部分にβ-catenin変異と19p LOHが検出された。また、胃ポリープの癌部分ではLKB1 locusの19p LOHとβ-catenin変異とともにP53変異とLOHが検出された。K-ras変異は数個のポリープで検出されたが、APC変異と5qLOHは検出されなかった。PJS患者の消化管過誤腫性ポリープが生殖細胞変異プラス体細胞変異あるいはLKB1 locusのLOHによって発生し、β-cateninとP53遺伝子の突然変異が加わり癌に進展することが示唆された。
|