研究概要 |
平成12年度の逆流性食道炎症例は手術例(噴門形成術)8例,非手術例(PPI,H2RA投与)10例が対象となった.(目標症例手術例30例,非手術例30例) 手術症例 腹腔鏡下全周性噴門形成術(Nissen法)4例,腹腔鏡下非全周性噴門形成術4例.全症例とも術後合併症は認められなかった. 各症例に対し,以下の検討を行った. 1)加療前後の臨床症状の検討 術前での胸焼け,胸痛,逆流感,術後の嚥下困難などを評価の対象とした.多くの症例で術前にみられた逆流に伴う症状の軽快が認められたが,一部術後に嚥下困難を訴える症例が認められた. 2)上部内視鏡検査AFP分類(特にA:食道裂孔ヘルニアの程度P:食道炎の重症度),Los Angeles分類(食道炎の重症度)による評価を行った. 3)24時間phモニタリングによる評価Synetics Digitrapper Mark IIIを用い2チャンネル型のカテーテルを経鼻的に食道,胃内に留置し24時間のphの推移を記録した. 4)ヘリコバクター・ピロリ菌抗体価測定 患者血清を採取し外注検査とした. 内視鏡生検組織によるガストリン抗体,ヒスタミン抗体を用いた免疫染色は来年度以降に予定している.
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