研究概要 |
「平成12年度の業績」 Cholangiocarcinoma、胆管癌や胆嚢癌など、胆管上皮細胞より発生する腫瘍は早期診断が困難とされています。我々は、胆道系の癌の早期診断には、胆管上皮の反応性の増殖と癌化との二つのメカニズムを解明することが必要と考え研究を続けてきました。II-6,HGFが正常胆管上皮細胞、及び胆管癌の増殖因子であることを報告してきましたが、さらに今年度は、正常胆管上皮細胞、及び胆管癌のII-6,HGFの産生、II-6レセプターであるgp130,gp80,及びHGFレセプターであるmetの発現の違いをRT-PCRを用いて検討し、以下の結果を得、その一部をHepatologyに発表しました。 (1)正常胆管上皮細胞は無刺激ではIL-6を産成しないがCholangiocarcinomaはIL-6を常に産成する。 (2)正常胆管上皮細胞はHGFを産成しないが、CholangiocarcinomaはHGFを産成する。 (3)II-6レセプターであるgp130,gp80,及びHGFレセプターであるmetはCholangiocarcinomaでつねに正常胆管上皮細胞より強く発現されている。 以上より胆道系上皮細胞の癌化におけるサイトカインIL-6,HGFの増殖因子としての役割が明らかにされました。
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