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2001 年度 実績報告書

腹膜を用いた門脈再建

研究課題

研究課題/領域番号 12671276
研究機関日本医科大学

研究代表者

秋丸 琥甫  日本医科大学, 医学部, 助教授 (40142541)

研究分担者 平方 敦史  日本医科大学, 医学部, 助手
峯田 章  日本医科大学, 医学部, 助手 (70339430)
田尻 孝  日本医科大学, 医学部, 助教授 (20163462)
キーワードPortal vein / Reconstruction / Peritoneum
研究概要

従来、我々は腹膜による下大静脈再建と今回の科研費による『腹膜を用いた門脈再建』の動物実験でともに良好な成績が、また臨床においも中肝静脈の再建に本法を用いて満足できる結果が得られた.これらは、すべて英文雑誌に掲載済みである.以下に、このたびの動物実験の概要を述べる.
背景:癌の門脈浸潤或いは外傷性の門脈損傷に対して、門脈の合併切除および再建を必要とすることがある.自己腹膜が門脈再建に応用可能かどうかを動物実験により検討した.対象及び方法:LW-食用ブタ(約30〜40Kg)を全身麻酔下に上腹部横切開にて上腹部腹膜を2.5×2.5cm大に採取し、100%アルコールに10分間浸漬固定する。門脈を露出し、門脈遮断前後にそれぞれ、ヘパリン5000単位を静注する.門脈前壁を卵円型に切除後、先の腹膜で修復する.術後経時的(最高7週まで)に犠死させ、再建部について開存の有無と血管内皮細胞の増生と被覆を肉眼的、走査電顕および組織学的に検討した成績:門脈再建を7例に行った.門脈周囲は平均31mmであった。門脈前壁欠損部は12×6mmであり、腹膜パッチサイズは14.2mmであった.再建法は6-0プローリンによる手縫いが2例、手縫いとvascular clip applierの組み合わせが2例、α-cyanoacrylate adhesiveの単独使用が3例であった.全例に閉塞、狭窄、血栓形成、あるいは感染を認めなかった.パッチは約1週間で血管内皮に被われはじめ、2週間で完全に被覆された。走査電顕で縫合部が血管内皮で覆われ、免疫染色の組織標本においても血管内皮細胞を証明出来た.結語:自己腹膜パッチによる門脈再建で門脈の開存を全例に認めた.本法は自己静脈採取法に比べ容易に採取でき臓器機能や正常な循環動態を損なうことなく、人工血管に比し感染に強い点から、優れた静脈再建材料と思われた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yoshioka, M. et al.: "Reconstruction of the portal vein using a peritoneal patch-graft"The American Journal of Surgery. 181・3. 247-250 (2001)

  • [文献書誌] Akimaru, K. et al.: "Reconstruction of the vena cava with the peritoneum"The American Journal of Surgery. 179・4. 289-293 (2000)

  • [文献書誌] Akimaru, K. et al.: "Middle hepatic vein reconstruction using a peritoneal patch"Surgery Today. 32・1. 75-77 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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