研究課題/領域番号 |
12671299
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
関根 康雄 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70312957)
|
研究分担者 |
藤澤 武彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80110328)
斎藤 幸雄 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (60261905)
|
キーワード | 肺気腫 / 肺容量減少術 / 気管支鏡下治療 / heat probe |
研究概要 |
平成14年度の研究実績 1)肺気腫モデルの作成 パパイン40mg/kgの気管内吸入により1ヶ月後にミニブタの肺気腫の程度を評価するため、呼吸メカニクス計測器を使用して、気道内圧およびflow volumeをもとに気道抵抗とcomplianceを測定した。その結果静肺コンプライアンスはパパイン吸入前23+/-3.5ml/cmH2Oが吸入1ケ月後には33.3+/-4.6ml/cmH2O(n=3)と有意な上昇が認められた(p<0.01)。病理組織学的にも肺胞構造に破壊による気腫性変化の進行が確認された。しかしながら臨床におけるLVRSの対象患者はそれよりもはるかに重症な肺気腫であり、重度の肺気腫に対する経気管支volume reductionがどの程度の効果を得られるかの検討が必要になると考えられた。 2)肺気腫成犬モデルに対するdiode laserの効果 肺気腫作成前後およびlaser照射後(図7)の呼吸機能を測定した。その結果静肺コンプライアンスは21.2+/-3.7ml/cmH2Oが7.1+/-2.5ml/cmH2Oと約33%に低下した。これに同様のレーザー照射を行ったところ13.8ml/cmH2Oと再上昇を示した。照射範囲の病理学的所見を見ると、蛋白凝固により瘢痕化をきたし結果として肺容量の減少に至ると考えられた。さらには瘢痕化がcomplianceを低下させており、LVRSと近い機序で肺のelastic recoilを回復させるのではないかと考えられた。しかし長期に見ていったときに瘢痕組織が感染巣になる可能性も残され、長期的に見た組織変化および合併症の発現の有無を確認・検討していく必要がある。
|