研究概要 |
真核細胞発現ベクターpCIのEcoRIサイトにPD-ECGF/dThdPasのcDNAを挿入した。同じくpCIのSmaIサイトにβ-galactosidase(LacZ)遺伝子を挿入した。できたプラスミドベクターはQiagan Giga EndoFree Kitを用いて精製し、in vivo及びin vitroベクターの働きを確認した。 In vitroでは、ラットのvascular smooth muscle cell(VSMC)をexplant法により培養し、その3-7代の細胞を実験に使った。 ラット平滑筋細胞5代目をスライドガラス上で60%confluentまで培養した。そして、cationic liposome(DOTAP)を用いてpCI/LacZを細胞にtransfectionした。6時間後正常な培養液に交換して、更にconfluent(約48時間)まで培養した。そして、X-gal染色を用いて、LacZ遺伝子の発現を検出した。 ラット平滑筋細胞7代目を60%confluentまで培養する。そして、cationic liposome(DOTAP)を用いてpCIhTPを細胞にtransfectionした。6時間後正常な培養液に交換して、更に24時間培養した後培地をserum-free mediumに交換した。12h、24h、48h後細胞を回収して、蛋白質、及びトータルRNAを抽出した。RT-PCR、分光光度法による活性測定、western blotによるPD-ECGPの発現を認めました。 以上で、In vitroでベクター及び挿入した遺伝子が働いていることを分かりました。 In vivoでは、兎の慢性(3ケ月)及び急性心筋梗塞を作成した。100ugLacZ遺伝子:200ugDOTAPの割合でHPS(HEPES 20mM,NaCl 150mM pH7.4)500μl中に混合し、心臓に直接注入した。一週間後、心臓を摘出して、凍結切片4-6mmのスライスを切って、X-gal染色にLacZ遺伝子の発現を認めた。 今後、pCIhTPの濃度コースを作って、最適発現濃度を検討する。同時に、血管新生、心機能の変化等を検討する。
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